パープル・シティ、プレトリア~ジャカランダに魅せられて~(南アフリカ)
先日、「南アフリカ、ブルートレインとビクトリアの滝 10日間」より、帰国いたしました。毎年10月の南部アフリカツアーと言えば、何と言ってもジャカランダ!例年の開花時期や、温暖化や異常気象の影響など、ありとあらゆるデータを駆使し、年一回のベストタイミングを予想します。旅行社としてもプライドをかけた出発日選出とでも言えるでしょうか。
2009年10月10日(土)、遂にその時がやってきました!プレトリア訪問のジャカランダ観光は8・9日目!出発時の開花状況は3分咲き!まさに後一週間で満開というそのタイミングで、私を含め、ツアーに関わる社員一同は期待に胸を膨らませての出発となりました!異常気象による竜巻が全てを散らすことは無いだろうか?急に満開になり、散ってしまうことなんてありえないか?不安はそれでも消えませんでした・・・
さぁ、今年の結果を最初に申し上げますと、大成功!!何よりジャカランダを見るツアーで、そしてツアーのクライマックスとして、満・満・満開のジャカランダをお楽しみ頂きました!
年間を通して、ジンバブエ・ザンビア・ボツワナ・南アフリカといった、いわゆる「南部アフリ カ周遊」は弊社でも人気ツアーの一つです。人気の所以は、ゾウを代表する野生動物に出会えるボツワナのチョベ国立公園、アフリカを代表する南アフリカ、世界最西南端の喜望峰と様々ありますが、やはり第一位は世界三大瀑布のビクトリアの滝でしょう。しかし、10月のビクトリアの滝は、あまり水量が多くない時期。そんな時期にあえてツアーを設定する理由はなんでしょう・・・またそんな時期でも毎年多くのツアーを催行しているのはなぜでしょう・・・「そこにジャカランダがあるからです!」また、その想像を絶する美しさのジャカランダは、滝の水量をも補って余りあるほどの感動を与えてくれることを知っているからです!
南米原産のジャカランダは、別名「南米の桜」と呼ばれる木。日本人が毎年4月に春の訪れと共に、桜を連想するのと同じように、南アではジャカランダがまさに春の代名詞。1881年、ジャカランダの美しさに感動した、当時のトランスヴァール共和国大統領、ポールクルーガーは自身の自然愛好精神も手伝い、ブラジル・リオデジャネイロからジャカランダの苗木を首都プレトリアに植えさせたのが始まり。その後も、プレトリアをジャカランダ・シティーにするべく、多くの人々を動員し、次々とジャカランダの並木道を造ったといわれています。100年あまりが過ぎた今現在、彼らの努力は実り、まさにプレトリアは世界に類を見ない「パープル・シティー」と姿を変えたのです。
東京五大桜は皆様ご存知でしょう。新宿御苑、千鳥ヶ淵、墨田公園、上野公園、靖国神社と東京の名だたる名所の桜を足しても約5千本と言われています。プレトリアのジャカランダの数は何と約8万本とも言われているだけあり、どこに行ってもジャカランダ!数字の上からもスケールの違いがお分かり頂けるかと思います。ユニオンビルの高台からプレトリアの街を見下ろすと、見渡す限り紫のジャカランダが咲き乱れます!一つの街でそれだけのジャカランダがあるのですから、ちらほら見える程度ではありません!
一度バスで街の中へと入ると、次から次へと紫の並木道が姿を表します。満開の並木道を通りぬけ、交差する道も満開の並木道が続く・・・これほどまでに信号待ちもいいものだと感じたことはありません。満開の並木道が交わる交差点でのひと時は、信号待ちというよりはむしろお花見でした!下車するとジャカランダのほのかな甘い香りが町中を包み込んでいることに気付きます。並木道を歩くと、地面には程よく散った紫の花のカーペットが、そして上には空を埋め尽くす限りの満開のジャカランダが!目で見て、鼻で感じて、花に触れて、そして歩く。五感を総動員して感じるパープル・シティーは深く心に刻み込まれました。時間はいくらあっても足りません・・・添乗員として出発時間を告げる度に、心苦しい思いをしたことを痛烈に思い出します・・・
ユーラシアならではのこだわりも随所に散りばめられています!まずは、日本のお花見と いわんばかりの「ジャカランダティータイム!」(通称ジャカティー)。ジャカランダの木の下で、ブルーシートを敷いて日本酒を、っとまでは行きませんが、ここは南ア風におしゃれなティータイムを!ジャカランダを眺めながら、またジャカランダの香りを隠し味に、お花見のひと時を味わいます。そして次に、「ファーストジャカランダ」。先程述べた、ここプレトリアを「ジャカランダ・シティー」とした初めの一歩となった、歴史的なジャカランダを見に行きます!ある小学校にあるそのファーストジャカランダを、特別な許可をもらって見に行きます。ファーストジャカランダと、校庭や敷地内にあるジャカランダを見るのも、並木道とはまた違う味わいです。最後の一つはホワイトジャカランダ!南米ペルー原産といわれる、ホワイトジャカランダは、日本人にとっての桜を想像させる、美しい花!まさにお花見といった雰囲気を味わうことの出来る貴重なひと時となるでしょう。
通常のジャカランダ観光に加えて、ユーラシアこだわりのポイントを!時間の許す限りを、ジャカランダに費やし、心も体もジャカランダ漬けの一日を満喫して頂きます!ちなみに私は男性です。特に花が大好きなタイプではありませんが、そんな私が心の底から感動してしまったのは、そのスケールに圧倒されたからではないでしょうか・・・
(関口)
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