中国60周年~古代の関所を訪ねて~
先日「中国王朝古都めぐり 11日間」より帰国致しました。興亡を繰り返した南京、西安、洛陽、開封、杭州、安陽、鄭州の「7大古都」を効率良く巡ってきました。
ちょうど中華人民共和国の建国記念日「国慶節」と重なりましたが、今年は中秋節の祝日と重なり8連休の大型連休となった為、普段以上に大変な賑わいをみせていました。1949年に毛沢東より建国が宣言されてから今年でちょうど60年目を迎え、観光地では『祝60年』のモニュメントが造られていたり、飾りにも工夫がなされていて私達の目を楽しませてくれました。
ツアーで特に印象に残ったのは函谷関でした。「箱根の山は天下の険~」の文部省唱歌にも登場する古代の関所、それが「函谷関」です。河南省西部の両岸が切り立った谷に位置しており、さながら箱(函)のようなものというところからこの名が付いたようです。長安(現在は西安)と洛陽を結ぶ要道として多くの人々が行き来していました。
秦の時代の関所では、バスを降りるとまず老子と牛の像が出迎えてくれます。老子はここで道徳経を著したと言われていて、それを記念して像が造られました。奥へ進むとかつての古道がひっそりと残っており、2000年もの長き歴史を肌で感じることができました。
前漢時代に東へ100キロほどの場所へ移された「漢函谷関」もあります。こちらはまだ観光地化されておらず小さな村の中に静かにその姿を 残しています。民家が集まる場所であるため、バスは行けるところまでしか近づけません。今後政府は駐車場を作ったり周辺を整備したり、いわゆる観光地化したいと試みていますが、逆に住民は政府の政策に反対しているようです。近くに住む、ある農民の方の話をガイドさんを通して聞くことが出来ました。実際に行ってみないとわからない、貴重な体験でした。
他にも見所は多く、歴史好きの方にはたまらない内容となっていますが、名物料理が多いのもこちらのツアーの魅力の1つ。開封では熱々の小龍包、南京では塩漬けの南京ダック。そして水の都杭州では乞食鳥と東披肉(とんぽうろう)を召し上がって頂きます。「乞食鳥」とは、蓮の葉で包み、泥で固めた鶏を蒸し焼きにした食べ物です。ある乞食が鶏を土中に隠し、後にそこを訪れたものが焚き火をしてしまったのがきっかけで偶然にもおいしい蒸し鶏ができあがりこの調理法が誕生した、といいます。なんともユニークですね。
東披肉はいわゆる角煮のことで、この呼び名は中国北宋代の詩人、蘇東披の名前に由来しています。やわらかい舌ざわりはご一緒したお客様からも「美味しい!」とのお声を頂きました。名物料理を味わいながら、栄故盛衰の歴史を辿った11日間!お腹も頭もいっぱいに満たされる充実した旅でした。(吉田理)
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