ようこそ、旧約聖書の世界へ(ヨルダン編)
先日「薔薇色のペトラと、巨大遺跡パルミラを訪ねる旅 9日間」の添乗より帰国致しました。
このツアーにおいてヨルダンでは、タイトル通り世界遺産にも登録されているペトラ遺跡に訪れますが、魅力はそれだけではありません。実はヨルダンには旧約聖書ゆかりのある地が点在しています。
まず最初に訪れるマダバには「ネボ山」がございます。こちらはかの旧約聖書に登場するモーセの終焉の地であると言われています。モーセと言えば、映画「十戒」をご覧頂いた方もいらっしゃるかと思います。その中でも有名なのが、エジプト人に追われたモーセが紅海を真っ二つに割るという奇跡を起こすシーンですが、エジプトの王の前でモーセが自分の持っていた杖を蛇に変えるという奇跡もございます。なんとその蛇の形をした杖のモニュメントがこのネボ山にございます。また、展望台からは死海、ヨルダン川、さらにその奥にあるパレスチナのエリコの町を遠望することができました。
また、イスラエルの王ダビデが、部下の妻を好きになり、彼女を自分の妻にするため、その部下をわざと激しい戦場に送り戦死をさせたシーンがありますが、その激しい戦場が現在の首都アンマンであります。なるほど現在このアンマンの城壁内には、ギリシア、ローマ、ビザンチン、イスラムとそれぞれの時代の遺跡があることから、兵家必争の歴史を物語っているのがわかります。
あと、アンマンからジェラシュ遺跡に向かう途中ヤボク川(現在のザルカ川)を渡ります。アブラハムの子どもで生贄のシーンで有名なイサクには、エサウとヤコブという双子の子供がいましたが、仲違いをし(原因は長子権争い)、弟のヤコブはしばらく自分の故郷を離れました。時がたち自分の故郷に戻る手前のヤボク川で天使と格闘をし、その天使から「これからはイスラエル(神と戦う者)と名乗りなさい」と命じられ、その後めでたくヤコブは兄エサウと和解をし、イスラエルの民の先祖となったそうです。その「イスラエル」という言葉の始まりとなったヤボク川を渡ったとき感慨深い気持ちになりました。
今回のヨルダンの旅行は、現在のイスラム教社会や紀元前5世紀から紀元後1世紀に栄えたペトラを肌で感じながら、それよりもはるか昔の時代の人々の息づかいも聞こえてくるような旅となりました。(斉藤信)
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