憧れのウィーンの大晦日
「ウィーンフィル・ジルヴェスターコンサートとチェコ珠玉の街8日間」のツアーより帰国しました。 このツアーの目玉はツアーの名前にもあるとおり、何と言っても楽友協会大ホールで開催されるウィーンフィル・ジルベスターコンサートです。
毎年元旦に行われるウィーンフィルのニューイヤーコンサートは、日本でもテレビ中継されるのでご存知の方も多いかと思いますが、ニューイヤーコンサートの前日の大晦日に同じ曲目、指揮者、会場で開かれるのがジルヴェスターコンサートなのです。ジルヴェスターとはドイツ語で“大晦日”という意味で、ローマ教皇だったシルウェステル1世の命日が12月31日ということにちなんでいます。有名なニューイヤーコンサートは、実は1939年の大晦日に開かれた「特別コンサート」が始まりで、オーストリアという国が地図上から消え、ヨーロッパ全体が第二次世界大戦の暗い渦の中に巻き込まれていった時代、ウィーンの人々が愛してやまなかったシュトラウス・ファミリーの曲目を並べたコンサートを行うことでオーストリアの国への愛国心を表したのです。 大晦日当日、女性はドレスや着物、男性はタキシードやダークスーツでドレスア
ップし、いざウィーンフィルの本拠地・楽友協会へ。ライトアップされた建物に入ると、同じ ようにおしゃれをした人々がぞくぞくと集まってきて、皆これから始まる演奏への期待で興奮が高まってきているのが分かりました。会場である楽友協会大ホールは、金箔で煌びやかに装飾された内装で黄金ホールとも呼ばれています。その豪華なホールには色とりどりの花が艶やかに飾り付けられ、芳しい香りが漂っていました。
今回の指揮者はフランス人のジョージ・プレートル。1924年生まれの大ベテランで、ウィ
ーンフィルとの関係も長く、2年前のジルヴェスターとニューイヤーのコンサートでも指揮をしています。85歳とは思えないエネルギッシュで、時には優雅で時にはお茶目なところも見せるプレートル氏の指揮とともに、ヨハン・シュトラウス2世の「こうもり」序曲でコンサートは始まりました。音響効果抜群のホールで聴く、ウィーンフィルの生演奏、軽快なシュトラウス・ファミリーの調べ。楽団員の顔も眺めてみると、真剣だったり、楽しそうに笑顔だったりと色々。コンサートの間は、豪華なホールに響き渡る優雅な音色にうっとり夢心地で、あっという間にアンコールへ。そして、最後のアンコール曲、ヨハン・シュトラウス1世の「ラデツキー行進曲」ではプレートル氏の指揮に合わせ、観客も一緒になって手拍子を打ち、会場にいる全員が一体となってなんとも言えない幸福感でいっぱいとなり、終わりを迎えたのでした。
ツアーに参加された方は「あのテレビで毎年観ていたコンサートを是非生で観たい」という思いで参加され、コンサートの後は「やっぱり生の演奏は凄い!」という率直な感想を口にされていましたが、これには何度も頷いてしまいました。極上の演奏で2009年をすっきり浄化でき、幸せをもらって1年を締めくくれ、2010年を迎えるにあたって新たな気持ちにさせてくれたひとときでした。(武石)
東欧・中欧のツアーはこちらから(ジルヴェスターコンサートのツアーは2010年7月頃発表となります)
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