サハラの秘奥、ギルフ・ケビールへ!
出発前、砂漠を走り続けても景色は単調でつまらないだろう、と思っていたのですが、すぐに思い違いだとわかりました。まずバハレイヤ・オアシスを出発してまず出会うのは、石灰岩に覆われた白砂漠です。近頃はエジプトツアーでも訪れるようになった人気の観光地で、今回は幸運にも、テント1泊目を過ごすことができました。夕日・朝日に染まる石灰岩の奇岩の数々はとても美しく、通常の日帰りツアーではできない体験となりました。
翌日からは本格的に砂漠を走り始めます。ドライバー達はGPSという緯度や方角が分かる機械を持っていますが、彼らは砂漠に精通しているので、「俺達の頭がGPSだよ!」と言いながら迷うことなく車は進んでいきます。そして、窓から見る砂漠の景色は刻々と変化していくのです。
同じ砂丘に見えても、目を凝らすと色の濃淡がありますし、遠くには蜃気楼がでて、まるで砂漠に池があるかのようです。砂丘に囲まれていたかと思えば土漠になり、玄武岩の奇岩が聳え立つ不思議な光景が続きます。ギルフケビールを何度も訪れているガイドやドライバー達でも、「同じ景色を見ることはない」とのことで、私たちが今回目にした風景は、私たちだけのものとなりました。
5日間走り続けた後、念願の岩絵とご対面。フジニ・ケイブと名づけられたその場所は、リビアとの国境からたった20kmのところです。幅5mほどの場所に、これでもか!というほど絵が描かれていて、これほどの密度の岩絵はリビアやアルジェリアでもなかなか見られません。宇宙人のような人、頭のない動物、男女が仲良く寄り添う様子、逆立ちや縄跳びをしているようなものなどなど・・・。絵をひとつひとつ見ていくと、そこに込められた物語が浮かんでくるようです。
なかでも不思議だったのは、無数に描かれている手形でした。大きさが色々なのは勿論、両手を合わせたようなものや、指が一本欠けているものまで!一体これらが何を意味しているのか?そんなことをあれこれ考えるのも、ギルフ・ケビールの岩絵を見る楽しみのひとつだと感じました。
今回の旅の目的は岩絵でしたが、思いもかけず、様々な砂漠の表情も見ることができました。
砂漠を楽しみながら、わくわくした気持ちで岩絵に会いに行く旅は、ゆっくりな時間ながらもあっという間の10日間でした。(江間)
2010年のギルフ・ケビールへのツアーは、7月頃発表予定です。
(こちらから2009年のツアー日程をご覧いただけます)
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