おもしろ文化の宝庫、パプアニューギニア!
バスでの移動中、ドライバーさんが急にバスを停め、露店で緑色の実を買ってかじり始めました。これはパプアでは一般的な嗜好品で、覚醒効果のある実です。興味を持った我々は、後日ある村でこの不思議な実を試してみました。ブアイ(日本名:ビンロウジュ)と呼ばれるこの実は30mはあろ うかという高い木の上になっています。村の子供がスルスルと器用に木を登り、実を取ってくれました。緑色の実を割ると一回り小さい白い実がでてきて、この実と石灰の粉とマスタードの茎を一緒に口に含み噛みます。すると口の中が真っ赤になり、痺れを感じ始めます。石灰の粉がツバを赤くし、ツバと一緒に余分なものを吐き出しながら、良い具合になるまで調節します。一瞬血痕かと見間違えてしまう赤い吐き汁が町の至る所で見られます。パプアではかなり多くの人がブアイを噛んでおり、仕事中などに噛んだり、その赤いツバを吐き散らす事による景観の悪化や、噛みすぎは歯槽膿漏の原因となる事が問題となっています。もちろん合法ですが、ホテルや飛行場などの公共の場でのブアイは禁止になっており、あちこちで禁煙マークならぬ、禁ブアイマークが見られる程、国民の中に浸透しています。ブアイなくしては一日が始まらないと言われる程、パプアでは老若男女問わずに愛されている怪しくも魅力的な嗜好品。どんな味なのか興味のある方は、ご自身の口を真っ赤にして試してみてはいかがでしょうか。
他にも、空港の近くに住む人達の楽しみは、飛行機が着陸するのを見る事と降りてくる 人達を見る事だったり、民家の屋根の上にあるヤシの木は嫁入り前の娘の数を表していたり、デジカメで人の写真を撮って、それを見せてあげた時に「ちっちっちっ」と舌打ちされたり(現地ではスゴイとか羨ましいといった尊敬の念が込められているんだそう)、市場ではあらゆる野菜たちが直立していたりと、毎日が驚きと笑いの連続!神秘の国パプアニューギニアはおもしろ文化の宝庫でした!(村上大嗣)
| 固定リンク
「オセアニア情報」カテゴリの記事
- 太古の大自然、オーストラリア・ブルーマウンテンズ国立公園(2017.12.08)
- ユニークな“泥人間の踊り”(パプアニューギニア)(2017.12.06)
- 島国なのにグルメの代表はヘルシーな牛肉!(バヌアツ)(2017.10.26)
- 地上の南十字星(サザンクロス)を探す旅へ(オーストラリア)(2017.10.17)
- オーストラリア、ロットネスト島のクオッカを愛でる(2017.10.13)
「世界の文化情報」カテゴリの記事
- 技術の国で「大人の社会見学ツアー」開催!!(ドイツ) (2017.03.31)
- クリスマスに訪れた五島列島、心癒される教会群巡り(2016.01.08)
- 2000年もの時をかけて造られ、守られているフィリピン、ルソン島北部の棚田(2015.03.18)
- モンゴルの移動式住居「ゲル」(ユーラシア旅行社で行くモンゴルツアー)(2014.07.08)
- 次期世界遺産候補、ドンラム村を訪ねて(ユーラシア旅行社で行くベトナムツアー)(2014.03.05)
コメント