ヒンズー寺院の南インドと大自然のスリランカ
先日、インド洋の真珠スリランカと南インドのツアーより帰国いたしました。
日本は寒波が来てとても寒い時期でしたが、一年中温暖な気候のスリランカと南インドではポカポカと暖かい陽気の中で観光することが出来ました。
南インドの一番の見所は、華やかなヒンズー教寺院です。インドは一度では見きれないとよく言いますが、寺院一つ取ってみても、宗教の違いだけでなく、地域によっても形は大きく異なります。北インドのヒンズー教寺院は、シカラと言って、砲弾型の屋根をしています。そして南インドのほうはというと、ドラヴィダ様式で台形型の塔門・ゴプラムがその特徴です。写真や映像で屋根の上にびっしりと色鮮やかな神々の彫刻された姿をご覧になったことがある方もいらっしゃると思いますが、ゴプラムは、外壁に隙間なく神々の彫刻を施し、その彫刻を色彩豊かに飾っているものです。タルミナードゥ州・マドゥライにあるミナークシ寺院は南インド最大の寺院として有名です。昨年4月修復工事を終え、美しくお化粧直しされた大小合わせて12のゴプラムがあり、典型的なドラヴィダ様式の寺院と言えます。
観光はまず、北門から中へ入っていきます。北門のゴプラムは高さが約45メートル、彫刻はなんと約400施されています。順番に寺院内を観光し、一番高いゴプラムのある南門へ。この南門のゴプラムには、約1000もの神々の彫刻があり、彫刻の数はミナークシ寺院一。どれもひとつひとつ丁寧に艶やかな色付けがされており、信仰心の深さが覗えます。またゴプラムの高さは約60メートルあり、こちらもミナークシ寺院で一番の高さを誇っています。
北インドと南インドの違いは寺院だけではありません。そこに祀られている神様もまた少し異なっています。ミナークシ寺院に祀られているミナークシ女神も、元々はこの辺りの土着の神であったといわれています。それが、本堂脇にある樹齢約3500年と言うマンゴーの木の下でヒンズー教三大神・シヴァ神と結婚式を挙げたという伝説から、ヒンズー教に取り入れられるようになりました。
そうやって土着の神々を吸収し大きくなっていったヒンズー教の神様の数は、なんと3億3000とも言われています。日本の約8倍の国土を持つインド。国土のみならず、桁違いの大きさ、多面性を持っている国と言えます。
今回のご旅行には、北、東、西とインドを歩いてきた方々が多くいらっしゃいましたが、南インドが他のどの場所ともまた違っていたことに驚き、そして新しい発見の連続のようでした。この地でも多様な国インドを垣間見ることが出来ました。
今回は、さらに盛りだくさんにインドのみではなく隣国・スリランカへも足をのばしました。
スリランカでの忘れられない出来事があります。
それは、スリランカのシギリヤをバスで移動中のことでした。それまで順調に走っていたバスが停車したので、ドライバーさんにどうしたのかと尋ねたところ、そこの草の茂みに野生の象がいたとの事。よーく目を凝らしてみてみると、たしかにそこには野生の象が!バスの窓からでしたが、ゆっくりと動く象を見ることが出来、全員大興奮!その後も野生のマングースやニワトリ、顔の黒い猿などを見ることが出来、スリランカの自然を満喫。そして古都・キャンディでは、かわいい声で鳴く珍しい鳥や、可憐に咲く野花に優しい気持ちになれました。
のんびりした人々と緑豊かな大自然は日本での日常生活から抜け出し、ゆっくりとした時の流れに身を委ねスリランカという国の大らかさを体験できました。
歴史的にも、イスラム教徒の侵入がなく純粋なヒンズー教を信仰する南インドと、今尚自然溢れるスリランカ。似て非なる2国は、多様な表情を見せ、最後まで驚きと新しい発見の連続の12日間となりました。(津波)
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