「NO」のしぐさは「YES」のしるし!?インドにとりこになる理由
先日、「インド悠久文明の旅 13日間」より戻りました。インドは、一度行けばとりこになるか、もう二度と訪れたくなくなるか、はっきり分かれる国とよく言われます。このツアーは西の玄関ムンバイに始まり、12の世界遺産を訪れます。お勧めはまだ観光客の少ない太古の壁画が残るビンベトカ。インドの魅力がぎっしりとつまった内容となっています。さらに、今回の旅はカジュラホの寺院にて年一度のダンスフェスティバルを見学したり、行く道々の車窓から満開のからし菜の花畑が見られたりと2月上旬のインドをじっくり楽しむことができました。
さて、インドのどんな観光地よりも、私が最も面白いと思うのは人間です。中国の人口を追い越すと言われるインド。様々なものが混沌と存在し、日本とは常識や考え方も異なります。そのひとつ、インドで戸惑うのがジェスチャーです。
添乗員という立場上、現地ではいろんな人にお願いや交渉をします。
寝台列車の中で私 「あの、枕が2つ足りないのでくださいな。」
するとシーツ係のお兄さん、無言・無表情で首を左右に振ります。
ホテルのレストランで私 「明日の朝ごはんは6時にレストランを開けてくださいな。」
するとターバンを巻いた髭のマネージャー、無言・無表情で首を左右に振ります。
バスの中で私 「あっ、ここの菜の花畑すごくきれいだから写真ストップのためにちょっと停めてください!」
するとドライバーのおじさん、無言・無表情で首を左右に振ります。
まるで「はぁ?こいつは何を言っているんだ、そんなことできないよ、まったく……」とでも言いたげな態度です。なんて無愛想な人たちなんだ!……と思ってしまいますが、それは日本人の感覚。
実はインドでは首を左右に振るしぐさは「YES」の意味なのです。「もちろんいいよ」とか、「問題ないよ、OKさ」のときに彼らはゆっくり首を左右に振ります。無表情に見えるのは、インド人は日本人に比べて顔のつくりがはっきりとしていて濃いため、表情がないと少しきつい印象になるからかもしれません。そして面白いことに「NO」の時には首を前に振ります。これは日本人からすれば「はい」のしぐさ。何ともまぎらわしいジェスチャーです。
大都会のたくさんの車が走行する中を牛が闊歩しているのが日常の風景だったり、観光地で頼んでもいないのに高いところから水溜りに飛び込んで見せてチップを求めてくる人がいるかと思えば宝石や高価なサリーを身につけて観光をする人たちがいたりと、驚くことが多種多様なスパイスのように無限に存在するインド。でもだからこそ行く度に新たな発見、刺激があります。常識を覆される驚きと喜び。これが、インドの素晴らしい観光遺産と共に世界中の旅人たちがインドに魅了され、何度も訪れる理由なのかもしれません。(名倉)
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