世界遺産バナウェの棚田をハイキング(フィリピン)
先日、「麗しのフィリピン大周遊 10日間」のツアーより帰国いたしました。
フィリピンといえば、セブ島に代表されるような美しいビーチばかりが注目されがちですが、実は、それ以外にも、沢山の魅力があることをご存知でしょうか。例えば、ルソン島北部の広大なライステラス(棚田)を愛でながらのハイキングや、ボホール島でしか見られない動物や奇景との出会い、スペインの影響を受けた古都ビガンの馬車での散策など、他の東南アジアではなかなかお目にかかれないような、ちょっと変わった体験や出会いが待っているのです。もちろん、趣向を凝らした名物料理やよく熟れたトロピカルフルーツに舌鼓を打ち、素朴でホスピタリティ溢れる人々と交流するも楽しみのひとつとなることでしょう。
そんな魅力溢れるフィリピンは、有人・無人を含めて7,000を越える島々から形成されます。今回のツアーでは、セブ島・ボホール島・ルソン島の3島を訪問して参りました。本日は、中でも特に印象に残ったルソン島北部の棚田でのハイキングをご紹介させて頂きましょう。 フィリピン最大の島、ルソン島の北部には、峻険なコルディエラ山脈が連なっています。その地に住む山岳民族であるイフガオ族は、はるか2000年以上も前から、その山々を切り開き、階段状の棚田を造ってきました。まるで天まで通じるかのような壮大な光景は、「天国への階段」と賞賛されるほどです。棚田全体の総長は、地球半周分にも及ぶと言われ、営々と築きあげてきた光景に、人類の生命活動の厳粛さを感じずにはいられません。
しかし、その血と汗の結晶である棚田も、残念ながら、危機的状況にあります。1995年に世界遺産に登録されたバナウェの棚田も2001年には危機遺産に指定され、その修復・維持が叫ばれています。現在では後継者が不足し、棚田は荒れていくばかり。機械が入れず、手作業で進めていく畑仕事は、残された高齢者だけでは維持が大変だということでした。
元陽の棚田をはじめとして、世界には他にも美しい棚田がありますが、バナウェの棚田の魅力は、棚田に沿って人々と触れ合いながら散策できること。村人が農作業で利用する道と同じ道を歩き、行き交う人々と声を交わしながらのハイキングは、棚田を眺めて写真を撮る時とはまた違った気分で楽しめます。
ちょうどこの時期は、田植えの時期にあたり、村人達が家族総出で田植えをしている光景があちこちで見られました。突然の訪問にも関わらず、仕事の手を休め、私たちに手を振ってくれる村人の優しい笑顔が印象的でした。そして、植えられたばかりの苗で覆われた水田が、階段状にどこまでも広がっている光景を前に、イフガオ族が長年に渡って築き上げてきた努力の結晶であることを実感させられました。
今回のツアーでは、ビーチばかりではない、新たなフィリピンの魅力に触れる旅となりました。(兼井)
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