祈りの聖地と雄大なアララト山(アルメニア)
先日、「民族と文明の道、コーカサス三国の旅 9日間」のツアーより帰国いたしました。「コーカサス三国ってどこのこと!?」とお思いの方も多いかもしれません。コーカサス三国とはアゼルバイジャン・グルジア・アルメニアの三ヶ国で、カスピ海と黒海に挟まれた部分に位置します。古くからシルクロードの要衝地として栄えてきた古い歴史を持つ国々です。今回のツアーでの各国の印象を一言で言うと、「アゼルバイジャン=石油と天然ガスの取れる国」、「グルジア=グルジアワインの美味しい国」、「アルメニア=教会とアララト山の国」でした。5月ということで、黄色い野花や赤いポピー、桃やリンゴの花等も各地で咲いており、新緑の美しさと共に印象に残りました。
今回は、アルメニアについてご紹介させて頂きます。アルメニアは世界で最初にキリスト教を国教した国です。1世紀にはキリスト教がアルメニアに浸透し始め、301年に国教に。それ以降、ペルシア、オスマン帝国、ソ連と大国の支配下に入り、苦難の歴史を辿ります。苦難の歴史の中でも、アルメニアは自分達の信仰を曲げず、独特のアルメニア正教を守っていました。アルメニア観光の中の目玉はアルメニア教会で、各地で多くの教会を観光します。アルメニア様式の教会は独特のスタイルで、内部は薄暗く装飾はあまり無いシンプルなつくりです。教会の前にはガビットと呼ばれる空間があり、人々が集まる場所、また、教会の内外にはハチュカルと呼ばれる石を刻んだ十字架があちこちに刻まれています。薄暗い教会内部では蝋燭が燃やされ、静かに祈りを捧げる人々を見かけることがあります。静まり返った教会の中で神との対話をする人々の姿に、自然と心が落ち着いていきます。
アルメニアのもう一つの大きな見所といえば、美しい自然です。アルメニアの首都エレバンから見えるアララト山は現在はトルコ領となりますが、大アララト山が高さ5,156m。そのすぐ横には小アララト山(3,915m)があり、雪をかぶった姿はまるで富士山のように美しい。エレバンの町から離れているにも関わらず、雄大すぎてすぐ近くに迫っているかのように錯覚してしまいます。恥ずかしがりやの女性のように、雲で姿を隠すことが多いといわれるアララト山が、今回は本当に運よく美しい姿を現してくれ、思わず何度もバスを止めて写真ストップをとりました。アララト山はアルメニア人にとって心の故郷。旧約聖書に出てくるノアの箱舟がアララト山に漂着し、その時乗っていたノアの家族がアルメニア人の祖先であると信じられているからです。赤いポピーや黄色い野花などの春の花が飾る教会や神殿の遺跡と一緒に、美しいアララト山の姿を写真に収めました。
まだまだ未知な国コーカサス三国ですが、現地の人々は穏やかで暖かい人々です。シルクロードから栄えた興味深い史跡と美しい自然に魅了されっぱなしの毎日でした。(前田)
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コメント
本当に素晴らしい旅でした。アララット山やグルジアの山々に雪がたくさん残っていて、とても美しかったです。雄大なアララット山の姿が、まだ目に焼きついています。
25名満席で一人参加の多いツアーでしたが、前田さんはとてもよくまとめてくださってありがとうございました。
まだ行ったことのない人には超お勧めコースです!
投稿: M・T | 2010年5月14日 (金) 10時46分
M・T様
コメントありがとうございます。
こちらこそ、いろいろとありがとうございました。
M・T様からそのような感想を頂けることは、添乗員にとってなによりの喜びです。
これからも皆様にご旅行をお楽しみ頂けるよう頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。
投稿: 前田 | 2010年5月17日 (月) 18時52分