2010年6月22日 (火)

美しい景色と音楽を心ゆくまで楽しむ(オーストリア)

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先日、「オーストリア、世界遺産巡りと湖水地方の旅13日間」より帰国しました。オーストリアをぐるっと一周しながら美しい景色と音楽が生まれた場所を訪ねてきました。

まず最初に訪れたのはハイドンゆかりの地、アイゼンシュタットです。
ウィーンから約50kmにあるオーストリア最東の州ブルゲンランド州の州都、アイゼンシュタットはハンガリーの大貴族エスターハージー家の城下町として栄えました。周りを葡萄畑で囲まれた緑豊かな町でワインの産地としても有名で、夏にはオーストリア各地からワインを集めたワインフェスティバルも行われています。エスターハージー家はワインも醸造していて、名物ワイン「エスターハージー・ワイン」はワイン愛好家の間でも人気です。その昔、ハイドンが給料の一部をワインで支払いを受けていたことも記録に残っています。

“交響曲の父”と呼ばれるヨーゼフ・ハイドンは、エスターハージ家の宮廷音楽家として活躍しました。エスターハージー城にはハイドンのためにエスターハージー公が食堂を改造して作った「ハイドンホール」もあります。
天井や壁面は色鮮やかなフレスコ画で装飾されていて素晴らしいのですが、実はハイドンホールは ウィーンの楽友協会「黄金の間」が出来るまではヨーロッパで最高の音響と言われていたホールなんです。今でもヨーロッパ屈指の音響を誇る演奏会場として様々な演奏会が催されています。
今回はスピーカーから流れるハイドンの楽曲でその音響効果を少しだけ体験?させてもらいましたが、是非いつかは生演奏で聞きたい!と思う素晴らしいホールでした。

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そして今回のツアーではその最高の音響と言われるウィーン楽友協会の「黄金の間」にも行って来ました!
楽友協会はウィーンにあるクラシック音楽関係者の団体とその本部の建物で1812年に設立されました。その中に通称「黄金の間」と呼ばれる1870年に建設された大ホールがあり、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地としても有名です。
毎年1月1日にウィーン楽友協会の黄金の間で行なわれるニューイヤーコンサートは世界各国に生中継され、世界中の人々がこのコンサートを楽しみます。
日本でも2002年に小澤征爾さんが指揮者として初めてウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを指揮したことから抜群の知名度と人気があります。
そのウィーン・フィルの本拠地、楽友協会の「黄金の間」でコンサートを聴けるチャンスはなかなかありません。楽しみにしていた皆さんも少しお洒落して足取りも軽く会場へ向かいます。

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「黄金の間」にひとたび入ればその豪華絢爛な内装に驚くばかり。壁や天井の金色に光り輝く装飾はテレビではよく見ているものの実際に見るとその眩いばかりの煌めきに圧倒されます。
演奏は「モーツァルト・オーケストラ」で、当時を再現した豪華な衣装とくるりとカールを利かせた白髪のカツラを着けて登場します。もちろん指揮者もソリストの方々も同じように衣装を着け、会場全体がタイムスリップしたかのように独特の雰囲気を醸し出します。
演奏するのはバロック時代の有名な名曲ばかりで、モーツァルトの時代に一般的だった「音楽アカデミー」のスタイルに基づいて、交響曲や協奏曲から各楽章、またはオペラの序曲、アリアなどを抜粋して演奏されます。
私達が鑑賞した日のプログラムも交響曲第41番ジュピター、オペラ「ドン・ジョバンニ」、「魔笛」、「フィガロの結婚」、そしてお馴染みの名曲「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」、「トルコ行進曲」と誰しもが一度は耳にしたことがある名曲の数々が演奏されました。さすがに最高の音響と謳われる会場とあって、音の響きは素晴らしいのひと言ですが、特にオペラで登場したソリストの女性は美しい声がよく通り本当に素晴らしく、会場が割れんばかりの盛大な拍手が起こっていました。
そして最後のアンコールではモーツァルトの作品ではないのですが、ウィーンといえばシュトラウスということで、シュトラウスの名曲「美しく青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」が演奏されました。ラデツキー行進曲では指揮者が客席を向いて手拍子の指揮をはじめます。最後は観客も全員が参加して手拍子を合わせ、会場全体が一つとなり盛り上がります。
クラシックのコンサートというと堅苦しいイメージがありますが、昔はもっと大衆的な楽しむ音楽として愛されていたんだなと感じる楽しいコンサートでした。
近年は偉大な音楽家の生誕・没後のアニバーサリーイヤーとしてのイベントも目白押し。
何度でもまたすぐに訪れたくなるオーストリアの魅力にはまってしまう楽しい旅となりました。(大戸)
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