2010年6月15日 (火)

列車に乗ってどこまでも(アメリカ大陸横断鉄道)

006  先日、「アメリカ大陸横断鉄道の旅 10日間」より帰国しました。今回は、広大なアメリカ大陸を2つの列車を利用して約5,500kmを横断する旅となりました。しかも観光もニューヨーク、サンフランシスコに加え、あまりパッケージツアーで訪れる機会の少ないシカゴも半日観光とフリータイムというおまけ付きです。

 今や航空網が至る所に発達しているアメリカ。単純に移動をするならまず航空機での移動を選択するのが通常でしょう。しかしどこか鉄道の旅には、移動だけではない旅本来の醍醐味を楽しむ事ができるように思えます。現地の人達も当然それを期待していて、皆思い思いに移り変わる車窓に感動し、隣あった人達とおしゃべりを楽しみ、何よりその旅自体を各々が上手に楽しんでいるように見えました。

 今回のアムトラックはニューヨークからシカゴを「レイクショアリミテッド号」、シカゴからサ002 ンフランシスコ(エミリビル)までは「カリフォルニアゼファー号」を利用したのですが、まず驚かされるのは、その大きさ。全線架線のない区間をディーセル機関車が重連で引っ張っていきますが、カリフォルニアゼファー号は2階建てのスーパーライナーという編成。寝台車利用客が使うことのできるシカゴ・ユニオン駅のラウンジから降りてホームに行くと、ドーンとその存在感をアピールして待っていてくれました。一車両の長さが約26m、高さが約5mと圧倒的な大きさ。新幹線MAXよりも大きい。寝台車の他にも、食堂車や展望車、座席車も連結しています。そういえばシカゴのユニオン駅自体、映画「アンタッチャブル」のシーンでも有名な階段があり、かつての鉄道王国の中心駅を思い起こさせる荘厳な建て物なのです。

 007 ふと乗り場を案内するモニターをみていると、この時間帯は丁度全米各地へ長距離列車が発車する時間帯で、隣のホームには、ロサンゼルス行きの「サウスウエストチーフ号」やシアトル行きの「エンパイアビルダー号」の姿も見えます。まるで九州へのブルトレが出発する東京駅を思い起こさせます。

 そうこうしているうちに、約40分ほど遅れ、我がカリフォルニアゼファー号は、シカゴをゆっくりと約3900kmの旅に向かい出発致しました。各車両には一人車掌がのっていてベッドメイキングなどを担当してくれます。列車の中はコーヒーやソフトドリンクが飲み放題で窓が大きい展望車にも行くことができ、車両ごとには各一つシャワーがついています。

 001 出発後30分もするともうシカゴの摩天楼はおろか、町も姿をかえ次第に一面のとうもろこし畑の中を駆け抜けていきます。食堂車にて最初の夕食が始まる頃ミシシッピ川を渡り、ネブラスカの大平原を走ると翌日の朝にデンバーへ。デンバーからはいよいよ最初の見所003 ロッキー越え。グランドキャニオンを創り上げたコロラド川に添って鉄道だけしか走れない狭い渓谷の間を走りぬけています。ロッキーを越えると一路荒漠としたユタの砂漠をバックに夕陽に溶け込んでいきます。第3日目の朝は、カジノの町リノに停車。

 個人的に思うのですが、ここで列車を降りてしまいヨセミテに車で行ってしまうツアーが意外と多いんです。しかしそれはあまりにも勿体ない事。まるでカレーライスに入っているじゃがいもを最後に残してしまったようなもの。実はここから先が第2の見所であるシエラネバダ山脈越えがはじまるのです。ここは大陸横断の最後の004 難所で、雪をかぶった山々や美しい湖などロッキーとはまた005 違う山越えの景色を楽しめるのです。冬は豪雪地帯として有名で実際6月に入った今回も峠付近は雪が大分残っていました。そして峠を越えるとパームツリーやワイン畑も見えてきて、気分はもうすっかりカリフォルニア。サンフランシスコの町並みが湾の対岸に見えると終着駅のエミリビル(サンフランシスコ)の対岸に遂に到着となります。

 通常何時間か遅れるのが当たり前となっているアムトラックの長距離列車ですが、お客様の普段の行いがよほど良かったのでしょう、何と今回は1時間も早く着いてしまいました。私も正直3900km頑張って走った到着前の余韻を少し感じたかったのですが、あわててドライバーやガイドに連絡をとっていたのでした。
 2泊3日、約3900km。長かったようで短かったような気がします。かつて夢を目指して大陸横断を続けた開拓者のように夢を運んでくれたカリフォルニアゼファー号。高架線を走る新幹線でもなく、あっという間に飛んでしまう飛行機でもなく、ゆったりと車窓に心をゆだねる瞬間・・・・。そんな素敵な時間の過ごし方もたまにはいかがですか。(吉枝)

アメリカのツアーはこちら
アメリカ大陸横断鉄道のツアーはこちら

|

北米情報」カテゴリの記事

世界の鉄道情報」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。