イベリア半島~イスラム教の華・キリスト教の花
スペイン・ポルトガル大周遊20日間より帰国しました。今回の旅は毎日が見所満載!!首都マドリッドから始まり、銀の道や巡礼の道を通って向かう先は聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラ。今年は2010年「ヤコブの年」ということで、特別な訪問になったのではないでしょうか。そこから南へ下り、ポルトガルの旅。ポルトやコインブラ、リスボンとハイライト凝縮の3日間。そして、ユーラシア大陸最西端のロカ岬へ。またまたスペインに戻り、白壁美しいアンダルシア地方と、ドン・キホーテの世界カスティーリャ・ラ・マンチャ地方。東のバレンシアへと向かい、沿岸線をバルセロナへと列車の旅。最後はキリスト教のお祭り、聖体祭(シッチェスの花絨毯)で締めくくります!というように、毎日世界遺産に触れ、イスラムとキリスト教文化の美しさを両方見ることが出来た旅でした。
イベリア半島の旅にはローマ属州時代とレコンキスタ(国土回復運動)の話は必須。…レコンキスタとは何なのか。はるか昔、イベリア半島はローマ帝国や西ゴート族の支配下でした。そこにイスラム勢力が押し寄せ、イスラム文化が花開いていくため、キリスト教徒たちは北へ北へと追いやられていきます。じわじわとイスラム化が進む中、キリスト教徒たちは国土回復の誓いをたて、半世紀以上に渡ってイスラム教徒と戦いを続けました。ついに!1492年にはカトリック両王(アラゴン国王フェルナンドとセビーリャ国王イサベル)によってグラナダが陥落され、約800年以上に及ぶイスラム王朝に終止符が打たれます。ここにレコンキスタが完了し、スペイン黄金時代の幕開けです。
ローマ時代の遺跡(水道橋や城壁)や数々のイスラム建築の残る中、イスラム教編で最も感動したのは「メスキータ」でした。
イスラム教とキリスト教の歴史を知るにはココが一番目に見えて分かるのではないでしょうか。世界遺産に登録されている「メスキータ(スペイン語で“モスク”)」ですが、ここの正式名称は「聖マリア大聖堂」と言います。歴代のイスラム王が拡張工事を行い、レコンキスタ後、モスク中央部にゴシック様式とルネサンス様式の折衷の教会堂が建設され、唯一無二の不思議な建築物が完成するのです。中に入っていくと赤と白の縞模様の二重アーチが無数に並んでいます。柱をよく見ると、高さはまちまちで、柱は別の建物のものを再利用しているのだということがわかります。さらに中に進むと、ミフラブ(メッカの方向を示す礼拝堂内部正面の壁)がありますが、これを見るとイスラム教のモスクとして使われていたことがハッキリとわかる…のですが、中央部に足を進めると、立派な祭壇があり、パイプオルガンや司祭の席、キリスト教徒の礼拝席があります。今までのイスラムの雰囲気とはガラッと変わり、ここはもうキリスト教の世界。とても不思議な感じです。きっとみんながそう感じているに違いないでしょう。この礼拝堂を建てるのを許可したのはスペイン王カルロス1世。でも彼は、この場所がどんな所か知らずに許可を出し、完成後にここを訪れた後「こんな素晴らしいところだと知っていれば、あんなことはさせなかった。どこにでも建てられる建物の為に、美しい建物を失ってしまった」と嘆いたそう。
そして、キリスト教編で最も印象的だったのは、シッチェスの「キリスト聖体祭」。今年は6月6日がお祭りの日だったので、旅の締めくくりに訪問。朝からはあいにくの雨模様でしたが、私達がシッチェスについて散策を始めると…パァっと晴れ間が見えて、その後はいいお天気。
シッチェスでは聖体祭の日に朝から花絨毯を作るという習慣があります。そして夕方からはパレードが行われ、キリスト教の王様・王女様とイスラム教の王様・王女様の巨大な4体の人形が絨毯の上を歩いくのです。ここシッチェスではお祭りも兼ねて、花絨毯のコンペティションも行われ、誰が一番素敵な花絨毯を作るか競い合います。住民達は朝早くから花絨毯作りに取り掛かり、12:00までに作り上げ、どれが優秀作品か決められるのです。色々なデザインのものがありましたが、それぞれに素晴らしいので甲乙つけがたい。スペインの国花であるカーネーションやガーベラを使っての装飾。中には香り付けと色付けかねてコーヒーの粉を利用している人もいました。この日のために噴水を作った人までいたのにはビックリ!市役所がある程度のルートを決め、あとは思い思いに道を選んで花絨毯を敷き詰めていきます。短いものや長いものは30mを越すものまで。今回は午前中のみの観光なので、パレードは見ることは出来ませんでしたが、花絨毯を作る過程から完成作品まで見ることが出来るので、それでも十分満足!皆さまにも大好評のお祭りでした。20日間のイベリア半島大周遊、最初は長旅だと思いましたが…過ぎてみればあっという間。スペインとポルトガルの魅力がぎっしりつまった20間でした。(内野)
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