「大自然の中をお邪魔します!青海チベット鉄道(中国)」
標高は2275mの西寧から徐々に高くなり、チベット鉄道の通過地は最高で5072m!富士山を優に超す場所を通過するという体験は、ただ標高が何mあるのかを把握するだけでなく、雪を被った山々と自然の厳しさを実際に自分の目で見ることで、チベットの手つかずの自然の真っ只中にいるという実感がわく、なかなか味わえないものです。車窓から目にする山々は、どれも真っ白な雪を被り峰の先は空を突き刺すかと思うほど峻険で、太陽の光を浴び銀色に光っています。眩しいほどの白銀の山脈に、列車内では「わあ…」と感動の声が上がります。あまりに美しいので山の名前を尋ねると、なんと名前はないとのこと。7000m以上の山がどこにでもあるこの場所では、特に珍しい山でも何でもないのだそうです。びっくりですね。
鉄道からの景色は常に移り行き、次々と違う表情を見せてくれるのも見所。草木の無い土色の乾燥地帯、高い山脈が連なる白銀の高山地帯、緑の牧草地とクリーム色の羊の群れ、ヤクの真っ黒な固まり、地平線の向こうから押し寄せるような幾筋もの透明な川の流れ…。そして、4000m以上の高地で放牧をしている遊牧民のテントからはもくもくと上がる灰色のストーブの煙…と、車窓からの景色は穏やかですが目まぐるしく変化していきます。カメラを構えるのを忘れるほど、目の前の景色に見入ってしまう時間でした。
外の景色を楽しんでいると、あっという間にもうお昼。ちょうど13時頃、食堂車からは照り付ける黄色い太陽の光を浴び、キラキラと輝くツォナ湖(4594m)が見えてきました。綺麗だねと話をしていると、運よく湖のまん前で15分ほどストップ!ラッキー!いつどこで停まるかは乗る列車次第なので、毎回停車場所が違うのがまた面白いところ。時間調整の為に停まったりすることも多いので、停まったときが景色をじっくり見るチャンスなのです。その日は天気も良かったため、真っ青なチベットらしい空には綿飴のような雲がぽっかりと浮かび、その下ではターコイズ色の湖が煌く最高の景色でした。
また、途中通過するココシリ自然保護区という場所ではカモシカやヤク、羊など多くの動物を目にします。一頭、二頭で草を食べているところを見かけることもあれば、30頭以上、またはそれ以上の大群で駆け抜ける動物の群れを見ることもあります。本当に手付かずの大自然の中を駆け抜けていく列車だからこその風景であり、これだけ景色に富んだ場所を走破する鉄道もなかなかないのではないかと思います。
そして、列車の中には中国人の生活必需品、お湯がたっぷり積んであります。魔法瓶に詰めてコンパートメントに置き、好きな時間にお茶を飲むことが出来ますので、日本から持ってきた日本茶を飲み梅干を食べながらリラックスモードで青海チベット鉄道を楽しむのがオススメの過ごし方です。マイカップも忘れずに持って行きましょう!(奥谷)
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