インカ帝国にタイムスリップ (ペルー)
プォォォォー、真っ青な空の下、どこからか鳴り響くプトゥトゥ(ほら貝)の音に、ざわついていた場が一瞬にして静まり返り、その場にいた全員がコリカンチャ(太陽の神殿)に目を向けた。6月24日、この日はインカ帝国最大の祭り、現在ではペルー最大のお祭りインティライミの幕開けです。
インティ=太陽、ライミ=祭り。この太陽の祭りは、インカ文明の重要な神である太陽は生存する全てのものの創造者とみなされ、人間と世界の運命を支配していました。太陽が地球と人間を見放さず、暖かさと喜びをもたらす為に戻ってきてくれるように太陽を崇拝し、生贄を捧げる必要があったのです。このようにしてインティライミ(太陽の祭り)が生まれました。
当日、コリカンチャ(太陽の神殿)より、インカ帝国(タワンティンスーユ:4つの州)から集結した兵士や踊り子がインカ時代の衣装を身に纏い登場すると歓声が沸きあがる、4つの州はジャングル、西の海、南アンデス、北のアンデスを表し、それぞれの土地の民族衣装は色鮮やかで目を奪われます。最後にインカ皇帝が登場。その存在感はその場にいた人たちを惹きつけ、まるで本物?!その言葉に皆が耳を傾け、祭りの開始宣言に再び周りは大歓声に包まれました。その後、一行はアルマス広場~サクサイワマン遺跡へと移動し、私達もサクサイワマン遺跡へと。
ここでは予め準備された観覧席での見学です。目の前で繰り広げられるインカ時代の儀 式の数々。4つの州のグループが踊りながら入場し、神への捧げものを持ち寄ります。皇帝は太陽の神にあいさつ、そして来年の豊作を願う。トウモロコシから作ったチチャを大地の神に捧げる儀式は水鉢にチチャを注ぎ、皇帝は一口飲んで清めたあと4つの州の首長に振舞う。また聖なる火が点火された後は、生贄のリャマ(もちろんニセモノ)が運ばれ、その心臓を取り出し来期を占う。その出た血にパンを浸して食べる、などなど驚くものも多く、気がつくとサクサイワマン遺跡全体が、かつてコロンビアからアルゼンチンにまたがる南米最大の帝国、インカ帝国時代にタイムスリップしたかのようでした。『帝国の民よ、太陽の神様に感謝しよう!今年一年の収穫を祝おう。そして次の年の豊作を祝おう』皇帝が最後に人々に呼びかける。一年に一度甦るインカ帝国。私もこの日ばかりはインカの民となりアンデスに住む人々の幸せを願わずにはいられませんでした。 (岩間)
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