本当に孤高!?民族ヒンバ族に出会う(ナミビア)
先日、「幻想のナミブ砂漠とヒンバ族を訪ねて」というナミビア10日間のツアーより帰国致しました。ナミビアはアフリカの中でも比較的に新しい国です。私も学生時代は「南西アフリカ」と習いましたが、1990年の3月に現在の南アフリカ共和国より独立した国で、日本の約2.2倍の面積の国に、人口はなんとたった200万人しかいない国です。
今回は、有名なアプリコット色のナミブ砂漠を堪能し、その後ヒンバ族というナミビアとアンゴラ周辺に住む民族に会ってきました。彼らは、1800年代にその当時ナミビアを占領していたドイツ軍に虐殺をされ、その後、大干ばつ等で更に人口が減り、現在では2万人程度の人々が伝統的な暮らしを守り生き抜いています。
さて、彼らヒンバ族がどうして有名かと言うと、女性は(1)赤土の泥、(2)砂、(3)牛脂を混ぜ合わせたオカと呼ばれるものを身体と長い編みこんだ髪の毛にべっとりと塗ります。上半身は裸で、下半身はなめした牛や羊の皮を巻いて生活しています。男性は牧畜を営み、女性は子育てや水汲み、火事をこなして生活しています。
「孤高の民族」
そう呼ばれるヒンバ族。西洋文化や文明を拒否してナミビア北部とアンゴラ南部でひっそりと生活をしています。そのせいか「孤高」という形容詞を多く使われる誇り高き民族です。しかし、本当に「孤高」なのでしょうか。
独自の生活を営み、現代生活に媚びずに自らのスタイルを守る、そういう意味では孤高なのかもしれません。しかし、実際に訪れてヒンバの村を散策していると、
「モロモロ~(こんにちは)」
「ペリヴィ~(元気ですか?)」などと声を掛けられました。
確かに、彼らは社交的で誰にでも話しかけるラテン系、というタイプではありません。しか し、しっかりと目を合わせ語りかけると、恥ずかしがりながらも返事が返ってきます。「あなたいくつなの?」と聞かれ、私が「あなたはいくつ?」と聞き返すと、「16か17ぐらい」とのこと。ヒンバの人々には数という概念が無いそうです。2人の子供抱いた可愛い女の子が、照れ笑いをしながら、答えてくれました。
孤高と呼ばれるヒンバ族。しかし10代20代の女性は万国共通です。好奇心も旺盛、美容にも興味があり、そして温かい母性を持ち合わせていました。警戒した強張った顔が、話していると、ふと緩み笑顔になった瞬間が私は忘れられません。
最後に、「オカ」というヒンバの洋服がわりの赤土は、防虫、防寒、日焼け止め、美白の効 果もあると聞きました。それなら試さなければ!と意気込みながら、腕の甲にオカを塗らせて頂きました。しかしその匂いは壮絶で、牛脂の匂いがプンプンします。その日の晩まで塗ったままにしておりましたが、結局夕食の前に食事の香りと混ざってしまい、洗い落としてしまいました。ヒンバ族に近づくにはもう少しナミビアでの生活が必要かもしれません。(坂岸)
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