2010年10月21日 (木)

ロマネスク芸術と巡礼を知る北スペインの旅

タウール、サンクレメンテ教会のフレスコ画(カタルーニャ美術館蔵)

この度、北スペイン紀行10日間の旅より帰国しました。
スペインの旅行と言えば、バルセロナでサグラダファミリアを見たり、アンダルシアでアルハンブラ宮殿を観光したりというのが定番として思い浮かぶと思いますが、この北スペインのツアーで立寄る有名都市はバルセロナくらいでしょう。
反対に、バルセロナで観光するのは通常のツアーでは行かない「カタルーニャ美術館」。カタルーニャ地方に残された貴重なロマネスク美術の数々を見ることが出来るのです。
バルセロナを出発後、バスはピレネー山脈の懐を目指します。
緑豊かなボイの谷にひっそりと佇む可愛らしい小さな教会は、ピレネーの雄大な景色と合わせると、まるで絵のように美しいのです。ツアーではいくつかのロマネスク教会を巡り壁画や柱頭彫刻などをゆっくり見てまわります。

ロマネスク建築の特徴はどっしりとした厚い壁に沢山の丸いアーチ。そして内部に描かれた原色の壁と浮き彫りのような彫刻が見られる事です。
ボイの谷のロマネスク教会北スペイン~南西フランス教会建築を中心に広く取り入れられた建築・美術様式です。西暦1000年の世紀末を無事に超えた喜び、神を讃える心を農業改革が実現した経済力が支え、スペイン・レコンキスタの戦火の中に花開いたのです。
十字軍の時代、多くのキリスト教徒が、スペイン北西部にあるキリスト教三大聖地の一つ、サンティアゴ・デ・コンポステラへ巡礼に行き交ったことが、ロマネスク美術のさらなる普及と発展をもたらしました。

この北スペイン紀行ではスランスから続いてきた巡礼路に沿ってハカ、パンプローナ、ブルゴス、レオン、そしてサンティアゴ・デ・コンポステラを観光して行きます。
巡礼や教会に興味がある方やそうでない方も、素朴な村と美しい景色、そして美味しい食事を楽しんでいただける旅だと思います。

サンティアゴまでもう少し!ゴゾの丘の巡礼者の像

今年は「聖ヤコブ年」という事もあり、途中で沢山の巡礼者にも会いました。聖ヤコブの日=7月25日が日曜日にあたる年を「聖ヤコブ年(大祭)」と呼び、多くの人が聖地サンティアゴ・デ・コンポステラを訪れます。大聖堂の免罪の門(聖なる門)も解放され、この年、サンティアゴを巡礼した者は、全ての罪を許されると言われています。
朝一番でこの免罪の門に行ってみると、すでに長蛇の列。オープンと同時だったという事もあり、15分ほどで中に入れましたが、ピーク時には4時間並ぶ事もあるそうです。
巡礼者にいろいろとインタビューしてみるとフランスやドイツ、チェコなど、いろんな国から来ている事がわかりました。中には一日40キロも歩いた!と自慢の足を見せてくれる人もいました。

聖地サンティアゴ・デ・コンポステラの大聖堂

また、ツアー中ではミサに参加する事もありました。キリスト教徒ではないので、後ろのほうにひっそりとおじゃまさせてもらい、司祭の動きに合わせて立ったり座ったり。最後に「アーメン」とう一声の後にみんな抱き合ったり、握手をしたり。キリストの肉であるパンと血である赤ワインを共に分け合う感動のシーンです。あまり馴染みのない私たちも、その場では感動してしまいました。
ヨーロッパの旅では建築とキリスト教は付き物ですが、こんなに身近に信者の気持ちを感じたのは初めてです。 (関根)

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