2010年11月22日 (月)

夢心地?アブシンベルの奇跡(エジプト)

Abusimbel

先日、「アブシンベル朝日の奇跡とエジプト周遊 10日間」より帰国しました。ツアータイトルにある通り、南エジプトの花形“アブシンベル神殿”に朝日が差し込む奇跡を見られる特別設定のツアーです。いったい何が奇跡なのでしょう。実際に朝日の奇跡を見た私が実況中継風にご案内しましょう。

さぁやって参りましたアブシンベル。ここアブシンベルはアブシンベル神殿と観光客用のホテルが数軒あるだけの辺境な場所です。約3200年前アブシンベル神殿は古代エジプトのファラオ“ラムセス2世”の命によって岩山を削ったその内部に建造されました。建築王の異名を持つラムセス2世の数ある傑作の中でも最高傑作と言えるほどのスケールの大きさと神秘性。神殿の最深部にはラムセス2世を含めた4体の神像が納められている至聖所があり、年に2回だけ至聖所に朝日が差し込みます。さらに4体のうちの1体、闇を好むプタハ神だけは光が当たらないというこだわりようです。緻密な設計技術と天文学の知識があってこその演出です。

Sunrise10月22日、未明のアブシンベル。前夜のアブシンベル神殿の音と光のショーの興奮冷めやらぬまま少しの仮眠だけをとり、ホテルを出発します。未明の出発にも関わらず、どうやら同じホテルに宿泊していた日本人のグループがいくつか出発したご様子です。なぜ、朝日が昇る数時間前に早起きをして神殿へ行く必要があるのでしょう。その答えはやはり神殿内最深部の至聖所に光が差し込む光景を見るため、観光客同士の順番争いなのです。この特別な日に世界中から集まった観光客は約5000人とまで言われています。実は、先頭200人くらいのほとんどが日本人なのですが。
そして、アブシンベル神殿到着です。真っ暗な空には天の川が確認できるくらいに星が見えています。さらに、流れ星がキラリ、またキラリ。昼間のアブシンベルは日差しも強くとても暑いのですが、夜は目の前のナセル湖からの爽やかな風が心地良いです。近くの人とおしゃべりをしたり、ウトウトしたりしながら、待つこと数時間。ナセル湖の奥の水面が白やんできました。辺りも人でいっぱいになり、誰もが固唾を呑んで朝日の登る方角を見つめます。そして、朝日がナセル湖の上にポッカリと登ってまいりました。朝日鑑賞も同時に楽しめるのが神殿外で待つことの利点と言えるでしょう。次第にオレンジ色の太陽光はまっすぐに神殿の入口から差込み、55m奥の至聖所を照らします。
動き始めた行列。神殿警備の人達にはより一層の緊張感が走り、私たち見物客を「ヤラヤラ(早く進め)」と急かします。もちろん朝日の奇跡を見たい見物客はたくさんいます。しかし、美しいオレンジ色の光がラムセス2世を輝かせるのは、ほんの数分間に過ぎないのです。そしてついに、私達のグループの順番になりました。なんと左から3番目のファラオ、ラムセス2世が見事に光輝いているではありませんか。古代エジプトでは、太陽の光は神の象徴であり、人々に崇拝されていました。神との繋がりを持つファラオが太陽の光を利用し、自身の神格化を目指した演出は時代を超えて人々を魅了するのです。至聖所の見学時間は僅か5秒ほど。感動に浸りながら神殿を後にし、アブシンベルを出発したのでした。

なんだか夢のような心地がしていますが、じつに普段は、ベッドの中で夢を見ている時間の出来事なのでした。(小畑)

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