アラビアン・ナイトはオマーンで
先日、「アラビア六カ国大周遊」という18日間に及ぶ大旅行から帰国しました。私は、旅先でのちょっとしたエピソードを通して、その国の魅力を伝えることをこのブログの目的にしていますが、今回訪れた国々ほど「旅の醍醐味」が味わえる地域は無いのではないか、と思うのです。訪れた6カ国それぞれで、思い出深いたくさんの出来事がありましたが、今回は3回に渡って、古き良きアラビアの面影残るオマーンと、イスラムの聖地メッカを抱える大国サウジアラビア、そしてカタールについてご案内致しましょう。
オマーンと聞いて、頭に具体的なイメージが浮かぶ方は稀かもしれません。7カ国あるアラビア半島の国々の中でも、知名度ではサウジアラビアやドバイのあるアラブ首長国連邦、サッカー「ドーハの悲劇」で有名なカタールなどが先行するでしょう。けれども、どこか芳しい香りを放つ「アラビア」という言葉に魅せられたならば、今旅すべきは、前述の国々ではなくオマーンではないか、と私は思うのです。
アラブ首長国連邦との国境を越え、華麗なモスクのような外観のオマーンのイミグレーションセンターで入国手続きを済ませます。オマーン人ガイドのサリムさんが一生懸命、入国カードの記入を手伝ってくれます。当たり前のように思える光景ですが、クウェート・カタール・バーレーン・アラブ首長国連邦では、実は現地国籍のガイドさんが付くことはほとんどないのです。化石資源が豊なこれらの国々では、観光産業も含めて多くの仕事を外国人労働者が担っており、ガイド業もまた例外ではないそうです。今回のツアーでお世話になったガイドさんも、現地に10年以上も住んでいる方がほとんどでしたが、国籍だけを見るとインド・ネパール・日本・インドネシアと様々でした。
オマーンでは、現地の人々と触れ合う機会がグッと多くなります。ガイドさんだけでなく、ホテルや商店で働く人々もオマーン人であることがほとんどなのです。首都マスカットは綺麗なビルが立ち並ぶ大都市ですが、旧市街の迷路のようなスーク(市場)を歩けば、アラブ商人の熱気を感じ、地方の町を歩けばたくさんの笑顔に出会い、泥とヤシの木で建てられた素朴な街並みや灌漑によって栽培されたナツメヤシの林など、古き良きアラビアの風景に足を踏み入れることができるのも、このオマーンならではの魅力なのです。
かの有名な「千夜一夜物語」の主人公シンドバッドは、このオマーンの地とインドの交易で活躍したイスラム商人がモデルだとも言われているそうですが、アラビアン・ナイト(アラビアの夜)を過ごすのに、これ以上相応しい国はないのではないでしょうか。(田村)
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