石澤良昭先生同行、アンコール・ワットへの旅その一、遺跡発掘体験はくせになる?!
「アンコール歴史物語7日間」のツアーより帰国しました。上智大学学長、石澤良昭先生が現地で同行、ご案内してくださる毎回大好評の特別企画です。年末年始にかけて、私共では合計3ツアーが出発しました。本日より3回に分けて各添乗員より今回の旅についてご紹介いたします。今回、私がご一緒させて頂いたコースは現地で4日間石澤先生にご案内して頂くもので、訪れるべき重要な遺跡を概ね年代ごとに訪れアンコール王朝の幕開けから繁栄をたどりました。
通常の遺跡観光だけでなく、前回に続き、石澤先生のご提案で上智大学の遺跡発掘チームが長年実習を行っている「バンテアイ・クディ寺院」にて発掘体験も行いました。通常、冬には行っていない発掘ですが、今回は8月に6体の仏像が発見されたこともあり、特別に発掘調査が行われた為、ツアーに組み込むことができた次第です。
発掘体験実習の日、まずはシェムリアップの町にある上智大学の研修センターを訪れま した。そこではアンコール・ワットの西参道の修復に携わったカンボジア人の石工さんに一つ200キロはあるという大きな石の表面を削る作業を見せてもらいました。ノミを使い、石を積み重ねた時に紙一枚通らない程ぴったりと密着させる為に平にしなければなりません。接着剤などは使わず、当時の技法を守り、カンボジア人の手によって修復が行われた西参道。(第一工区は終了しましたが、まだ残り半分が今後予定されているそうです。)ご希望のお客様には、ノミで石を削って頂きました。ポロッとノミの刃が落ちたり、ボコッと削れたり、ワーワー、キャーキャー、結構、盛り上がりました!それにしても、実際に石を削る様子を見て、気が遠くなる作業だと思い知りました。現代の石工さん達に改めて拍手!!また、研修センター内にて2010年の8月に発見された仏像も間近で見せて頂きました。小ぶりながら、心が穏やかになるような優しいお顔の仏像でしたよ。
さて、いよいよ「バンテアイ・クディ寺院」へ移動。上智大学の研究員の方々に教えて頂きながら、グループに分かれて、土を掘る作業、土を運ぶ作業、出土した物を洗う作業を体験しました。土を鎌のようなもので少しずつ掘っていきます。これも、勿論、ドカッと掘れないので優しく、細かく土を削っていきます。小さな陶器や土器、瓦?と思われる破片が出てきました。そうすると、「もしかして、もっと掘ると何か出てくるかも?!」と期待が膨らみ、手が止まらない、諦められない気持ちになるから不思議です。これも、歴史のロマンを感じてしまうからでしょうか。水洗いでは、土がついていると見えなかった模様が現れたりして、驚きました。「これ、キレイね!」「あら、そちらでも!」といった様子でした。発掘体験ということで、少しの時間でしたが、後ろ髪を引かれる思いで現場を後にしました。
私達が訪れた時も、カンボジア人の学生が実習を行っていました。その日はちょうど発掘研修の最終日だったそうで、石澤先生と記念写真を撮る姿が印象的で、どの学生さん達も目が輝いていました。自分達の学び、行っていることに誇りを持っているのでしょうね。自信と希望に溢れた様子を見ると、こういった調査、研究がカンボジアの人々に受け継がれていくという、未来への期待を感じました。そして、この同行ツアーにご一緒させて頂き、石澤先生がご自身の生涯の50年以上もかけて取り組んでいらっしゃる姿に添乗員ながらも、改めて感動してしまうのでした。それは、私がお客様とお話をしても感じましたが、今回ご一緒した皆様も同様に思っていらっしゃいました。(帯津)
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