アラビアン・ブルーの溜息(アラビアへの船旅)
先日、「アラビアン・ブルーの世界、ドバイと湾岸の街々を巡る船旅」より帰国しました。
「何をしたら良いかわからない。退屈そうだ。」と思われがちな船旅。いえいえ、一度体験したら今までの旅行には戻れないかもしれません。船旅の良いところはなんと言っても「体が楽」なこと。荷物のパッキングはないですし、寝ている間に次の街へ連れて行ってくれます。
入港から出港までの間は下船して観光を楽しみ、船に戻って体を休めると夕食の時間になります。船内にはショッピングアーケードやプール、劇場、スポーツジムやカジノもあり、まさに「動く街」と言えるでしょう。
船旅は敷居が高いと思われていたのも一昔の前の話。カジュアル船なら服装にあまり気を遣わなくても大丈夫です。
朝早くから夜まで観光ぎっしりの旅がちょっとしんどくなってきたら、船旅がお勧めです。
さて、今回は6泊のアラビア湾(ペルシャ湾)クルーズの旅でした。
オイルマネーに沸く湾岸諸国ですが、やはりドバイの大胆な街づくりには度肝を抜かれました。
今回はフリータイムにハイドロプレインに乗って上空からドバイの街を見下ろしてみました。誰がこんな形を考えたのだろう?と思ってしまう、椰子の木の形をした人工島パームジュメイラにはベッカムやビルゲイツの別荘もあるとか。
さらに、私はドバイの海に描かれた世界地図を発見しました。300以上の人口島が世界地図の形を成すザ・ワールドでも、個人の別荘やレジャー開発が進んでいます。島を一つ所有するなんて夢のようですね。最低購入価格は15億円だそうです。
ところで、ドバイの街を実際に歩いてみると、地元の人をあまり見かけません。実は住民の8割以上が外国人で、多くが南アジア出身の出稼ぎ労働者です。今回のツアーに同行した二人のガイドさんもネパール人とスリランカ人、運転手さんはパキスタン人でした。街ではアラビア語より英語をよく耳にし、TシャツGパンで闊歩する人が多く、ここがアラブの国だということを忘れそうになります。
地元の人はどこにいるのでしょうか。1200店舗を抱える世界最大のショッピングモール、ドバイモールで優雅にお買い物を楽しむアバヤ姿のマダムを多く見かけました。外国人労働者を積極的に取り込み驚異的な経済発展を遂げたドバイは「寛容でオープンな国」と「マイノリティになったアラブ」の狭間で、未来の道を探っているようでした。
私たちの船「コスタ・デリチョーザ」は、ドバイを出ると、オマーン、アブダビ、フジャイラ、バーレーンを寄港してドバイに戻るルートを取りました。船内では、クルーたちはいつも明るく笑顔で乗船客たちを楽しませてくれます。
船は様々な国籍の人が集まる場所ですから言葉の壁を超えてコミュニケーションをとる方法をクルーはよく心得ているのです。
6泊7日も一緒に過ごせば、船との別れも寂しくなるもの。アラビア湾を一周して再びドバイの港が見えてくると、いよいよ下船です。
青く澄んだアラビアの海上生活との別れを惜しみながら、またどこかの海で再会できる日を願ったのでした。(河合)
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