「最果て」で浪漫を感じる!ウシュアイア(アルゼンチン)
先日、「南米のスイス、バリローチェとパタゴニア大周遊」のツアーへ行ってまいりました。チリとアルゼンチンに跨るアンデスの麓に広がるパタゴニア地方を廻るツアーです。
チリの国土は南北に細長く、その距離約4,600kmにも及びます。赤道に近い北部にはアタカマ砂漠があり年間を通じてほとんど雨が降らない地域がある一方で、我々が訪れたパタゴニアは南緯40度以南にあり氷河やフィヨルドを形成しています。南北に長いということで様々な気候区分が存在する国です。
またアルゼンチンは日本から一番遠い距離に位置しており、地球の裏側にあたります。この地域に住んでいる人々にとっては、日本が最果てになるわけです。
今回はパタゴニア地方の中でも最南端の都市として名高いウシュアイアにスポットを当てて みましょう。
この街はチリとアルゼンチンがほぼ半分に共有しているフエゴ島に位置しています。フエゴ島というのはフェルディナンド・マゼラン率いる艦隊が発見したマゼラン海峡によって南米大陸と隔てられた九州より一回り大きい島。そのフエゴ島の最南端に位置しているのがウシュアイアです。
観光はまずビーグル水道クルーズから始まります。氷河が掘り込んでできた谷に海水が浸水してできた水路で東西に進んでいくとそれぞれ太平洋と大西洋に繋がっています。ここは「進化論」で有名なダーウィンが同乗していたイギリス海軍ビーグル号が探索航海をしたことからその名がついています。その後【航海記】としてフエゴ島の先住民と独特の動植物は世界に紹介されました。ダーウィンの情熱を掻き立てるものがあったのでしょう。ここには鵜のコロニーがたくさんあり、遠目に見るとペンギンの姿をしていますが、泳ぎが得意な可愛いらしい鵜で、群れを成して寄り添いあって羽を乾かしていました。また、オタリアと言われるアシカ科の動物もコロニーを作っています。ハーレムで生活する習性があるらしく、8:2(メス:オス)ほどの割合で固まっていました。カラファテの赤い実はパタゴニアでは沢山見かけることが出来ます。実を一度食べるとその地に再び戻ってくることが出来ると言われていますので、皆様で食べてみました。再び舞い戻ることを願いながら…。この時期の実は既に熟しており、少し酸味はありますが、とても甘いがしました。
午後は世界最南端の鉄道“最果て号”に乗ってフエゴ国立公園に向かいました。かつては 刑務所列車とまで言われ、最果てに強制的に送られる囚人たちを運んでいました。中はやはり囚人たちを乗せる為の列車なので、ただ狭い座席が乗せてあるだけ。囚人たちは毎朝刑務所で列車に乗せられ、奥地の南極ブナの原生林へと向かい強制労働をさせられていました。ガイドさんによると、その木材が現在のウシュアイアの街を形作ったのだそうです。囚人達により建設された街、それがウシュアイアの本当の姿なのです。
冬は雪と氷に閉ざされ、地元の人でもあまり外を出歩かない程だとか。最果て…それは気候が厳しく、流刑地でもあった、物悲しいイメージがありますが、動植物も豊かで、只今夏に当たるウシュアイアは観光客も多く、とても賑やかな雰囲気に包まれていました。やはり人間は端っこが好きなのでしょうか。(篠原)
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