ジンポー族最大のお祭り「目脳節」
先日、「雲南・ミャンマー国境越え9日間」より帰国致しました。通常のミャンマーや雲南省のコースでは訪れることのない、“援蒋ルート”(日中戦争において、米・英・ソ連が蒋介石率いる国民党に物資を援助するための輸送路のこと)をミャンマー北部のシャン州から中国の雲南省へ進みながら、国境付近に暮らす少数民族の村々を訪ねる内容となっています。
まず、ミャンマー側ではシャン族の村を訪れました。私たちが訪問した村は、比較的街から近いところにある村ですが、男性は水牛を使って畑を耕したり、女性は軒先で葉巻を作ったり、食事の支度をするなど、のんびりとした時間が流れていました。
また、ティーボーの街から車で1時間ほど離れた山里には、パラウン族の集落があります。どこの村の少数民族も、日常的に民族衣装を着ている方は少なくなってきていますが、ここでは、年配の女性を中心にお手製の衣装に銀飾りを身につけている姿を見ることができました。家は高床式になっており、1階部分では水牛などの家畜を飼い、2階が住居という伝統的なスタイルが守られています。ラーショの街では、パラウン族の女性が自分たちが暮らす山奥から、市場で売るための薪を籠いっぱいに担いでやってきていました。彼らは独自の言葉を持っているので、私たちのガイドが話すミャンマー語も通じません。市場で品物を売買するときは、身振り手振りでやり取りをし、貴重な現金収入を得るのだそうです。
国境を越えて中国側でのハイライトは、ジンポー族最大のお祭りである「目脳節」です。“目脳”とはジンポー語で、「楽しく一緒に踊りましょう」という意味で、伝説によると、太陽の都に招かれた孔雀がそこで見たダンスを地上に伝えたことが始まりだそうです。今回の会場は、ルーシーという街にある文化宮広場で、私たちが到着すると、既に数百人もの参加者が輪になって踊っていました。踊りは“目脳縦歌”というもので、頭に大きな羽を付けた先導役に従って、皆が縦一列になって音楽に合わせてステップを踏みます。もちろん、参加者のほとんどはジンポー族ですが、リス族やタイ族、私たち観光客も輪に入って躍ることができます。お祭りは2日間開催され、午前と午後の計4回、女たちは花飾りのついた籠や傘・扇子を持ち、男たちは力の象徴である刀を持って老若男女一緒になって踊り続けます。
ジンポー族の中でも、今回は7氏族が参加していたので、持ち物や衣装が少しずつ異なり、それぞれを見比べたり、一緒に写真を撮るのも楽しみの1つです。会場では踊りだけでなく、機織り競技や手作りの民族小物の販売、屋台なども並び、大変賑やかものでした。 (鈴木寛子)
※2011年11月~2012年4月のツアーは20111年9月頃発表予定です。
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