キリグア遺跡のお話(グアテマラ)
先日、「グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルとメキシコの世界遺産」のツアーより帰国致しました。 このツアーは、10日間で中米の4カ国を巡ります。旧市街を歩いたり、マヤ遺跡をご覧頂いたりと盛りだくさんの内容となっています。
本日は、その中からグアテマラにあるキリグア遺跡についてご紹介します。
キリグア遺跡へは、バスを降りて林道を進んでいきます。それまで太陽の光が降り注いでいたのが、緑のトンネルの下を通ると心地よい風が頬をなで、すっと汗が引きました。そんな緑のトンネルを抜けると、いよいよ緑の絨毯の大広場が出迎えてくれます。キリグア遺跡の見所はなんと言っても、沢山の石碑。高さが10メートルもありそうな石碑が緑の絨毯の上にポコポコと笠をかぶった様な形で立っています。石碑に刻まれているマヤ文字は、その独特なかわいらしい形が魅力的です。
キリグアは、マヤ語で“供給地”を意味しています。モタグア川流域産のヒスイやカカオの生産拠点として重要な役割を担っていた場所でした。
古典期後期、738年にコパンから独立したキリグアでは、多くの石碑が時の王達によって作られました。775年に作られたとされている石碑Cには、紀元前3114年8月11日、マヤの天地創造について詳しく述べられています。約5000年の周期で創造と破壊が繰り返すとされています。そのマヤ暦によると、2012年12月にこの世界は終わり新しい世界が始まると考えられています。少し前に巷を騒がせていた“あの予言”は、こちらの石碑で見ることが出来ます。
ここキリグアに残された碑文を読み解いた結果、古典期後期には、コパンの支配がキリグアまで及んでおり、738年の抗争以降もキリグアとコパンは密接な関係を持っていたことが分かりました。
大広場の奥の方には、石碑以外にもアクロポリス神殿や、その他の建造物もあります。マヤ人は足がどんなに長かったのだろうと思うほど、段差の高い、急な階段をよじ登り、アクロポリスへたどり着きます。階段を登りきって後ろを振り返ると、そこまで歩いてきた緑の絨毯と、笠をかぶったような石碑を眺める事ができます。見上げていた石碑も小さく見えます。木々の生い茂るこの場所では、遺跡以外にも、野鳥や珍しい木々が沢山あり、それらを見るのもまた楽しみの一つです。
今回、グアテマラでは、ピンクの花がかわいらしいタベブイヤや、紫色のジャカランダ、オレンジや赤が鮮やかなブーゲンビリアなど、様々なお花を見ることが出来、日本より一足先に春を感じる事ができました。
遺跡とともに、日本ではあまり見られない植物にも目を向けてみるのも面白いかもしれません。(津波)
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