2011年4月21日 (木)

時代を超えて調和された町レッチェ(南イタリア)

Flowerblogtemplate 関東の桜が見頃になった4月4日に出発した「南イタリアを極める旅10日間」より帰国しました。現地では、さくらんぼの木が桜のような花を咲かせ、ちょっとしたお花見気分を感じることができました。

このツアーでは、南イタリアのプーリア州・バジリカータ州・カンパーニャ州を巡りました。北イタリアのローマやフィレンツェのような大都市の垢抜けた感じはありませんが、オリーブ畑やブドウ畑、さくらんぼ畑が広がる大地の豊かさとのどかさ、アドリア海やイオニア海などの雄大で美しい景色は穏やかな気分にしてくれるものでした。

いろいろと心に残る景色や歴史のある地域を巡ってきましたが、バロック装飾の建物が立ち並び旧市街に華やかさを醸しだしていたレッチェが最も印象的でした。

Buildingblogtemplate 16世紀頃から貴族や富豪、商人の邸宅はバロック様式ならではの不規則な曲線や曲面が多く、ねじれた柱、外壁に至る細部に美しい人物・草花の彫像が施されており、旧市街を歩けばあちこちでそのような邸宅を見かけました。最も有名な建築物は、ファサード前面に緻密なバロック彫刻が施されたサンタ・クローチェ教会。ただ、そうした建築も素晴らしいのですが、私は家全体の装飾がバロック一色ではなく、バロック+ルネッサンス様式やバロック+ロココ様式と全く異なる様式が組み合わさっている建物なのに見事に調和しているところが特に印象に残りました。バロックはロココ様式より前に登場した様式で、バロックが「わざと調和を乱し、激しい動きを表し、見る者に動的な訴えかけをしようとする」という特性に対し、ロココは貴族や富裕市民の邸宅、王侯の宮殿建築から生み出され「静かな官能的な優雅さがあり、押し付けがましさや力強さ、量感を誇示することを排斥した」という特性をもっていまFarbuildingblogtemplate す。ルネッサンスはバロックの前に登場した様式で、「外側はあまり過度な装飾がなく、彫像が整然と並んでいたりする程度で窓や入口が正円アーチと直線で構成されている」という端正さが特性。ルネッサンスの端正さとロココの優雅さというバロックの動的な特性に反する様式との融合も見所です。他にも旧市街の中心広場サントロンツォ広場の南に位置する紀元1世紀の円形闘技場周辺には、1901年や1925年ムッソリーニ時代の建物、1543年の聖マルコ礼拝堂と年代の異なる建物が並んでいるのに景観の調和がとれているのです。ガイドさんは、「この街の建物にはレッチェ近郊で採れる黄色い石灰岩が使われているので、年代が異なっても調和がとれているのよ」といいました。それでも石材が同じだけでこれだけの違和感のない調和の取れた景観を生み出したのは、後の年代に建物を建てた建築家の意思もあるでしょう。
こうした異なるものとの調和がとれていて尚も美しい街レッチェであることに感動し、私の心に印象に残る場所となりました。(髙橋)

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