自然と共に生きる国・コスタリカ
中米コスタリカの15日間の旅より帰国しました。数多くの森林保護区や国立公園を訪れ、自然を大満喫!鳥の楽園であり、ナマケモノやホエザルやカイマンワニの姿も日常の中に見る事が出来ます。今回の旅でとても印象に残ったのは「PURA VIDA(PURE LIFE:純粋で素朴な人生)」という言葉です。コスタリカはエコツーリズムの国であり、ここには自然と共に生活する人々の姿があります。
地球上の生物種のうち約5%がコスタリカに生息していると言われ、国土の4分の1が森林保護区や国立公園となっています。カリブ海と太平洋に挟まれ、火山や盆地、そして低地があり、標高差によって様々な自然環境の差異が生まれているのです。
コスタリカにはいくつもの自然形態がありますが、その中でも特に人気のある場所をご紹介します。
まずは「ウミガメのくる場所」トルトゥゲーロ。ここは熱帯雨林で、カリブ海側に位置する国立 公園ですが、交通手段はボートと飛行機のみ。ツアーではボートに乗り、約1時間半かけて国立公園を目指していきます。そこはまさにリトルジャングル!コユキザギやハゲノドトラフサギ、カイマンワニやホエザルの姿を見ながら、ボートは進んでいきます。宿泊ロッジの周りも自然に囲まれており、ヤドクガエルの鳴き声や鳥のさえずりがすぐそばに聞こえてくるのです。朝早く起きて、カエル探しやバードウォッチングをするのも楽しみの一つになります。
そしてもうひとつ、「エコツーリズム発祥の地」といわれるモンテベルデ自然保護区は、熱帯雲霧林と呼ばれる森林地帯です。英語ではクラウド・フォレストといいますが、その名の通り1年を通して霧が発生しており、なんとも言えぬ幻想的な雰囲気をかもし出しています。この密林には400種もの野鳥、2500種もの植物が生息しているので、森に足を踏み入れるとあちらこちらから鳥の鳴き声がしてきますし、森を歩いていると、珍しい植物を発見する事が出来るのです。幻の鳥ケツァルもこの雲霧林に暮らしています。ケツァルは臆病な鳥で、少しでも物音がするとすぐに隠れてしまいます。今回もなかなかケツァルを見つける事が出来ませんでしたが、粘りに粘り、ついに見る事が出来たのです!遠くの枝に止まっているので、肉眼ではなかなか見つける事が出来ませんでしたが、ガイドさんたちが持っているスコープを覗くと…翡翠色に輝く長い尾羽、そして真っ赤なお腹をした雄鳥がこちらを見ていました!クリクリッとした可愛らしい目とおちょぼ口の黄色い嘴は、今でも忘れる事が出来ません。ケツァルの発見に皆さん大興奮!興奮のあまり声をあげてしまいそうですが、それは厳禁。高ぶる気持ちを抑えるのには苦労しました。
コスタリカはかつてコーヒー栽培やバナナプランテーションにおいて、急成長を成し遂げた国でした。そのせいか、90年代前半は森の伐採がすすみ、瞬く間に森は裸になってしまったそうです。このような歴史がある中、コスタリカの人々は、本来の自然の豊かさに目をむけ、自然保護に力をいれる事で、今ではかつての豊かな自然を取り戻したのです。自然保護と経済効果の両立として生まれたのがエコツーリズム。コスタリカの人々は自然と共に暮らすことを大切にし、そしてその大切さや魅力を世界中の人々に伝えているのです。PURA VIDA:純粋で素朴な人生をモットーとするコスタリカには、まだまだ多くの魅力があるとことでしょう。今回出会うことの出来なかった鳥たちに会いたい、もう一度あの自然の中を旅したい!と思わせてくれる、そんな美しい国でした。(内野)
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