ゴリラだけじゃない、ウガンダ動物観察日記(ウガンダ)
先日、「ウガンダハイライト9日間」の旅から帰国しました。
このツアーのハイライトは、数少ない野生のマウンテンゴリラが生息する熱帯雨林でのゴリラトレッキングです。もちろんゴリラを探すトレッキングですので、ゴリラを見る為にウガンダに行くと言っても過言ではありません。
しかしウガンダの魅力はゴリラだけではありません。いつもゴリラのイメージに押されっぱなしですが、ウガンダは想像以上の大自然に溢れた野生の王国でもあります。
赤道直下、大陸のほぼ真ん中に位置するウガンダは比較的雨に恵まれ、ゴリラの生息する鬱蒼とした熱帯雨林からカラッとした気候のサバンナ地帯、アフリカ最大のヴィクトリア湖まで変化に富んだ地形が特徴です。ウガンダ西部の最高峰ルウェンゾーリ山(5109M)の氷河から流れ出るジョージ湖とエドワード湖一帯はクィーンエリザベス国立公園として野生動物の保護地域になっています。ツアーでは、ここでサファリカーに分乗し、野生動物を観察します。
エドワード湖に突き出た小さなムウェア半島は木立や藪が多く茂っており、身を隠す為の繁みを好む草食動物が多く生息しています。幼いゾウが多い時期には、子ゾウ守り囲むようにしてゾウの群れが悠々と我々の前を通り過ぎてゆくきます。生まれたばかりので赤ちゃんゾウを抱える群れは、親が非常にナーバスで攻撃的になっている為、サファリカーに突進してくることもあります。攻撃的になっている親ゾウは目を見れば不思議とわかります。今回も小ゾウを抱える殺気だった親ゾウと目が合って一瞬、ヒヤッとする場面がありました。これもまた、野生動物ならではの体験です。また一方ではサファリカーを全く気にする気配もなく、私達にお尻をむけたまま、一心不乱に草を食むイボイノシシ家族があちこちに見られます。危険な肉食動物がいない小さなムウェア半島はどこを向いてもゾウやイボイノシシで溢れ返っていて、時には水からあがったカバに遭遇するなど、のんびりとした雰囲気が印象的でした。
少し離れたサバンナには、見通しのいい草原を好むバッファローやウガンダコーブ、トピと いった草食動物達が見渡す限り遥か遠くまで点々と散ばっています。もちろん、地面に寝そべって昼寝をするライオンのプライド(群れ)もいます。隠れるところがないサバンナでは、肉食獣から走って逃げられるように、草食動物達は一定の距離をおいてパラパラと散ばっているのです。バッファローやウガンダコーブを観察していると、一見のんびりと草を食んでいるように見えますが、常に耳をピンと立て周囲を警戒し、ピリッとした緊張感が漂っています。動物達が密集し、ほのぼのとしたムウェア半島とは全く異なっています。お互いほんのわずかしか離れていない場所でも、動物達には木立や繁み、草原といったそれぞれ好みの場所があり、うまく棲み分けているのです。
サバンナならではの自然の景色も印象的でした。あたかも巨大な水柱のごとく、遠くから真っ黒な雨が近づいてきました。アフリカのサバンナでは近づいてくる雨が見えるのです。その後には見たこともないような太くて高く、鮮やかな虹がかかっています。そして草原にいくつも残る巨大なクレーター痕。今では動物達の水場になったクレーターの淵に立つと、気の遠くなるような時間の流れを感じます。
クイーンエリザベス国立公園を後にした頃に偶然、信じられない光景を発見しました。
エドワード湖が遠方に遠ざかっていく頃、何もない湖面の一部から火事のように立ち昇る不思議な煙を見つけました。周囲に集落や船は一切なく、どうやら人の煙ではないようです。湖面の一部から発生しているので、湖からの水蒸気でもなさそうです。そこで双眼鏡を覗いてじっくり見てみると、その正体は何と蚊の大群、巨大蚊柱だったのです。雨の後に一斉に孵化するユスリカの大群がまるで立ち昇る雲のように見えたのです。何だか背筋がゾッとしますが蚊のように小さな生命の営みでさえもダイナミックになってしまうアフリカのスケールの大きさを実感した光景でした。
自然が相手なのでこれが見られる、あれが見られると保証はありませんが、それだけに偶然、自然現象や野生動物の営みに遭遇した時の感動はひとしおです。(上田)
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