トルコにトリコ(虜)
4月、「トルコ物語15日間」の添乗に行ってまいりました。観光の見所が詰まった西トルコを15日間かけてじっくり観光してきました。トルコの首都であるアンカラからスタートし、まずはヒッタイト帝国の首都であったハットゥシャス遺跡に立ち寄ります。今から約3500年前にオリエントで初めて鉄器を使用したと言われるヒッタイト。彼らが本拠とした丘には広大な範囲で石造りの神殿跡が残っています。オリエントで栄えたペルシャ帝国やバビロニア帝国などに比べてあまり有名ではありませんが、ひけをとらないくらい立派な文明を築いていたことがうかがえます。ヒッタイトの神殿には普段私たちには馴染みのない神様のレリーフが石に彫られています。とんがり帽子をかぶった地母神が行列をなしているのがお分かりでしょうか?その数12体。キリスト教の12使徒と同じ数なのは何か関係があるのでしょうか。ヒッタイトに関してはまだ多くの謎が残っています。
そして、トルコにも数多くのギリシャ・ローマ時代の遺跡が残っています。かつて、そのどの遺跡にも例外なく集会場、浴場、劇場等の施設が建設されていました。大劇場で石の観客席がズラッと並ぶ光景は下から見上げても上から見下ろしても圧巻も光景です。南トルコの地中海から近い都市遺跡「アスペンドスの古代劇場」では、今でも6月にオペラが行われていますので、2000年前のローマ人と同じ娯楽に興じたい方にはおススメです。
旅の終盤はお待ちかねのイスタンブールです。ここにやってくればヨーロッパとアジアが交錯する町ならではの独特な雰囲気を感じられます。そしてイスタンブールの景観を一層魅力的にしているのがイスラム建築の象徴であるモスクです。有名なブルーモスクはオスマントルコ帝国の繁栄とイスラム建築の技術の粋を集めて完成したイスラムモスクの傑作です。一方、アヤソフィア聖堂はビザンツ帝国がキリスト教の総本山として建築した聖堂を後に侵攻してきたイスラム勢力がその建築美をうらやんでモスクに変えてしまったという背景を持つ、歴史的な建築物です。旧市街の中心部のホテルに宿泊した私たちは昼間の観光に加え、夜のライトアップされたブルーモスクとアヤソフィア聖堂を見ることも出来ました。
また、イスタンブールの夜を一段と盛り上げてくれるのがベリーダンスショーです。腰をつかったしなやかな踊りときらびやかな衣装はアラブ宮廷の宴を想像させます。私たちは今回、運良く一番前の席で観賞だったので、その堂々とした踊りの迫力と妖艶さに釘付けになってしまいました。(小畑)
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