2011年6月20日 (月)

砂漠のオアシス(イラン)

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先日、「イラン・イスーラム紀行11日間」の添乗より帰国しました。イマーム広場で有名なイスファハン、ゾロアスター教徒が多く暮らすヤズド、古代ペルシャ帝国の都ペルセポリス、花と詩人の町シラーズなどイランの見所をじっくりと巡るツアーです。5月のイラン高原は春の気候で野花があちこちに見られ、暑さもそれほど厳しくないので快適に過ごせました。古代からイランの都は南のペルシャ湾や北のカスピ海からは山々を隔てて遠くの内陸高地に建設され、人々は山の雪解け水によって出来たオアシスで生活をしてきました。

乾燥している上に年間降雨量も少ないイランでは水は貴重なものですが、どのように確保していたのでしょうか。その答えは、前述した雪解け水をカナートと言われる地下水路によって山から麓の町へ、あるいは遠く何十キロも離れた町まで運んでいるのです。古代ペルシャの時代から人々の生活の知恵と努力によってつくられてきたカナートは現在でもヤズド周辺にはたくさん見ることができますが、現役で使われているものはごくわずかです。しかし、かつてはこのカナートの水によって王の庭園には色とりどりの花や噴水で綺麗に整備され、まるで楽園のようなオアシスが広がっていたことでしょう。今ではカシャーンにある王の庭園は一般公開され、噴水の音と木々の静けさに癒される場所です。

町から車で1時間も走ればあたりは何もない草原や砂漠が広がりますが、町に近づくにつれ人工的に植えられた緑が多くなり、強い陽射しを避けて町の公園の木陰でくつろぐイランの人々をよく見かけます。不思議なことに、シラーズ市内では交通量が多い道路の中央分離帯の芝生スペースで居眠りをしている人を見かけますが、はたして落ち着けるのでしょうか。

Fingarden 公園と同じくイラン人観光客で賑わう霊廟やモスクに行ってみると、廟内は冷房も効いていて静かなので礼拝をしたり、家族でくつろいだり、またまた居眠りをしたりとこちらも町の中のオアシスと言えるでしょう。

話は変わりますが、初夏のイランの食卓には日本より一足早くデザートにスイカがでてきます。強い太陽の陽射しをいっぱい浴びて育った大きなスイカはとても水水しく甘かったです。食後、熱いチャイと一緒にスイカを食べれば暑いイランの夏も乗り切れそうな気がします。(小畑)

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