サンティアゴ・デ・コンポステラ さまざまな巡礼者たち(スペイン)
巡礼の手段の欄には、①徒歩 ②自転車 ③馬 とあり、いずれか該当する欄にチェックをつけるわけなのですが、さすがにこの時代に馬に乗って巡礼をする人はそうそういないだろうな、と予てから思っていました。が、・・・なんと、いたのです。それもサンティアゴの大聖堂の正面で馬にまたがった7~8人が記念のグループ写真を撮っているところに遭遇したのです。
事情を知らない人が見たら、どうしてこんなところに乗馬クラブが!と思わず二度見してしまうことでしょう。きっと彼らは乗馬で巡礼をしていたグループなのでしょう。
彼らの巡礼達成の喜びがこちらにも伝わってくるようでした。 私たちは巡礼をしたわけではありませんでしたが、せっかくなので道中で巡礼手帳を購入し、ところどころで巡礼スタンプを押しながら旅行をしました。サンティアゴではもちろん、最後の巡礼スタンプをもらいに巡礼オフィスへも行きました。
そこはスタンプだけではなく、巡礼者たちに巡礼証明書を発行する場所にもなっているのですが、ちょうど証明書を受け取っている方が前で手続きをしていました。
そしてその様子を伺っていると、先方から声をかけてくださいました。
「サンジャンピエドポーから歩いてきたんだよ」
・・・えっ日本語?日本の方だったのですか?
・・・帽子の隙間から見えるお顔はすっかり陽に焼けて真っ黒になっておられていたため、あまりよく見えていなかったのですが、その方が日本の方だということがわかった瞬間、「わあ、おめでとうございます!」と一気に歓声が湧き上がりました。
サンティアゴ・デ・コンポステラにはいろいろなドラマがあるものです。
かく言う私たちも、巡礼路のほんの一部分を歩いてみたのです。
私たちが歩こうとするスタート地点まではバスで向かうわけですが、バスで巡礼者たちをぐいぐい追い越し、バスを降りて歩き出すと先ほどバスで追い越したはずの巡礼者たちにひょいひょい追い越されてしまうという、なんともほろ苦い巡礼体験でした。
歩いたのはパンプローナ近郊のエウナテ教会からプエンテ・ラ・レイナ間の僅か5キロ程でしたが、巡礼気分を体感するにはそれだけでも十分でした。
帆立貝マークの看板や、一体誰が描いてくれたのかわからない黄色い矢印だけを頼りにして、道を進んで行くのです。周りに何もない場所をひたすら進み、途中で町の中を通り抜け、また何もない場所を歩く・・・休憩できる場所といえば町中の教会でした。石造りの古い教会の下はひんやりとしていて、ほっと心落ちつける空間であり、自然と巡礼者たちが立ち寄って腰を下ろしていました。
プエンテ・ラ・レイナのロマネスク橋が私たちの巡礼路ハイキングのゴールで、その近くのレストランで遅めのランチを取りましたが、お客様は皆、それはそれはおいしそうにビールを飲まれておられました。
(飯岡)
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