シベリア鉄道の旅~その2~
昨日は、シベリア鉄道の旅・ウラジオストク~イルクーツク編をご紹介しましたが、今日はその続きをご紹介いたします。
3日間かけてたどり着いたイルクーツクの町は、シベリアのパリと称され、大きな町ながらも、落ち着いた雰囲気のある美しい町です。イルクーツクでは2泊し、バイカル湖やブリヤート人の村へご案内しました。
地図を見るとずいぶん遠くへ来たものだと感じますが、日本との時差はなしというのは何とも不思議です。 今年2011年は、イルクーツクの町の350周年!至るところに350の数字が見られました。この350年という年月の間に、日本人抑留の歴史があったことも忘れてはいけません。日本人のシベリア抑留の歴史とも繋がりの深いこの町やバイカル湖近くの村には日本人墓地もあります。凍てつくシベリアの大地で強制労働させられた日本人のお墓を目の前にすると、自然と手を合わせ、語りかけていました。
ロシア連邦は自治区で構成されており、多くの民族が共生しています。イルクーツク州の中には、ブリヤート人が暮らしており、古来よりシャーマニズムを信仰し続ける民族です。ブリヤート人は太陽を神とする民族ですが、シャーマンの儀式に参加し、シャーマンが祈りを捧げたり、歌を歌ったりすると、さっきまで曇っていた空から太陽が顔をだしたのには驚きました。最後には皆で手をつなぎ、「人はみんな繋がっている、平和である」という歌や言葉を口ずさんでいると、人と人とのつながり、そして平和に生きる事の大切さを改めて実感できた気がしました。
彼らの村までは車で1時間半ほどですが、その道中の風景がとても印象的でした。白樺の森の多かった今までの景色とはうって変わって、どこまでも続く草原が広がっていました。まるで北海道の大地を走っているような(松山千春さんの「大空と大地とその中で♪」が流れてきそうな雰囲気)、モンゴルの壮大な草原地帯に来たような…そんな気持ちになり、とても心落ち着く風景でした。
イルクーツクでの2日にわたる観光も終わり、夕方には再びシベリア鉄道に乗車します。時間より少し早めに駅へ向うと、列車が1時間以上遅れているとの表示…。時間があるので、先に夕食へご案内してから鉄道に乗車しようということに。夕食後、余裕を持って駅へ戻ると、なんとすでに列車が入線していました。大急ぎでホームへ向い、荷物も大急ぎで運んでもらい、バタバタの出発となりましたが、何とか無事に乗車できました。一安心といった表情のガイドさんに別れを告げ、再び、列車の旅が始まります。
2回目の乗車ということもあり、皆様はもう慣れたもの。ささっと支度をして、ゆっくり過ごしていらっしゃいました。今回の旅では、ほぼ毎日のように時差があり、時間の管理がちょっと大変です。ですが、先へ進むに連れて時間を戻すので、1日が24時間以上になることは、ちょっと得した気分になります。23時頃ジマ駅に停車し、ここでもピロシキ売りのおばちゃんを発見!アイスクリームやお菓子、フルーツやビールを買う人々…遅い夕暮れ間近のホームが多くの人で賑わっていました。この後は川の近くを走っていきますが、真っ赤に染まる空、そしてそれを反射する水面、日が沈む直前には空がピンクに染まり、その瞬間は忘れる事が出来ないくらい美しいものでした。日も沈み、辺りは真っ暗になると、車内も次第に静まりかえっていきます。
明日はいよいよ最終日!クラスノヤルスクの町とともに、シベリア鉄道日記-③(クラスノヤルスク~モスクワ間)の紹介をさせて頂きます。(内野)
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