シベリア鉄道の旅~その1~
シベリア鉄道走破の旅15日間」の添乗より帰国しました。夏の暑さを覚悟して向ったシベリアでしたが、ジャケットを一枚羽織るくらいの気候。シベリアの夏はこれから始まるようです。ウラジオストクからモスクワまでの9288kmのシベリア鉄道の旅は、乗りっぱなしで7泊8日となりますが、ツアーではイルクーツク、クラスノヤルスクの2箇所に立ち寄りながらモスクワを目指していきます。ウラジオストク~イルクーツクまでは3日、イルクーツク~クラスノヤルスクまでは1日、クラスノヤルスク~モスクワまで2日の車中泊となります。今回のブログでは3日間分けて、シベリア鉄道の旅をご紹介させて頂きます。今日はシベリア鉄道走破-日記1ということで、ウラジオストク~イルクーツクまでのお話を致します。極東の中心と言えばウラジオストク。かの与謝野晶子もこの場所から西の彼方パリへと旅立って行きました。
現在ウラジオストクの町は新しい橋や建物、そして道路が建設中です。というのも2012年9月にAPECの開催地となっているからです「鷲の巣展望台」から金角湾や町の景色を見ていると建設作業の場所が多い事がよくわかりますが、開催まで後1年…間に合うのかとちょっと心配になってしまいました。
日本人とも繋がりのあるウラジオストクの観光を終えると、いよいよシベリア鉄道乗車です!今回は「ロシア号」に乗車。「ロシア号」という名だけあって、白・赤・青のロシア国旗で色が塗られています。ホームには9288kmと書かれたキロポストが立っており、モスクワからの距離を示しています。
22時30分、音もなく列車は出発しました。各車両には車掌さんが2名ついており、車内清掃や、ホームに降りたときに、ちゃんと乗客が乗っているか等の確認をしてくれます。この日はとりあえず荷物を整理して、就寝ですが、憧れのシベリア鉄道に乗った皆様は、遅くまで外の景色を眺めていたようです。この時期のシベリアは日が長いので夜23時くらいまでは、外の景色を楽しむ事が出来ます。翌日の朝食からは食堂車で召し上がっていただきます。列車の旅では、食べては寝て食べては寝ての繰り返しのように思いますが、自分達の車両から食堂車まで行くのも一苦労。がたがたと横に揺れる列車の中を歩かなくてはいけないので、バランスも大事!意外といい運動になります。
列車が走っている間は、思い思いの時間を過ごしていただきますが、たいていの人が外の景色を見ています。オレンジやグリーン色、個性的な形の家々が建っている村を通り過ぎたかと思うと、今度は白樺の森がずーっと続きます。ロシアでは白樺は女性に例えられており、白樺の葉はイヤリングを表しているのだとか。確かに白くてほっそりとスタイルのいい木々が並び、背丈も色々で、ロシアの肌の白い女性に例えられるのも納得です。
途中、いくつかの駅で列車は停車し、電圧が変わるところでは、先頭の機関車も交換されます。停車すると猛ダッシュして前へ!一度くらいは先頭へ行って、機関車交換を写真に収めたいですね。他にも、お昼ご飯や夕ご飯時になると、お弁当やフルーツ売りの人がホームに集まってくるので、ロシア語やジェスチャーを使いながら買い物するのも楽しいです。今回の旅では、サーシャ君(7歳)とキーラちゃん(5歳)に出会いました。最初は恥ずかしがっていた彼らですが、いつの間にか「こんにちは」と言葉を覚えて、挨拶をしてくれるようになりました。こういった現地の人々との交流も、旅の楽しさを一段と増してくれました。
3日目に入るといよいよブリヤート共和国の首都ウラン・ウデまでやってきました。ここを出発し、2時間ほどすると右手には、広大な面積をもつ、世界最深の湖「バイカル湖」が見えてきます。この湖、なんと琵琶湖の47倍!ベルギーの国土に匹敵する広さがあります。もちろん向こう岸なんて見えるはずもなく、海かと思うほど。真夏を迎える前の涼しいこの場所では、湖で泳いでいる人の姿はまだありませんでした。そうこうしていると、間もなく到着ということで車掌さんがシーツを集めにやってきました。今までは、白樺や草原の景色が広がっていましたが、イルクーツクに近づくにつれて、大きな建物や多くの家々を目にするようになります。さぁそれでは降りる準備に取り掛かりましょう! 明日はイルクーツクの町と、シベリア鉄道走破日記-2(イルクーツク~クラスノヤルスク間)のご紹介をさせて頂きます。(内野)
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