芸術鑑賞の旅 その1~ヴェローナ野外オペラ~
ヴェローナはミラノとヴェネツィアの中間あたりに位置し、オレンジの屋根がまるでフィレンツェの街並みを思わせます。シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」の舞台としても知られ、観光客が絶えません。このヴェローナが1年で一番活気を帯びるのが、野外オペラの季節。今から遡ること2000年、ローマ帝国時代に建設された円形闘技場(アレーナ)において、世界有数のオペラ歌手が集まる夏の祭典です。
日が沈んだ20時半頃、思い思いの洋服に身を包んでアレーナへ。野外ということもあってか、フォーマル度はそれ程高くなく、スーツ・ドレス姿の方からジーンズ姿の方まで様々です。アレーナ内に足を踏み入れると、人々の期待と興奮から生まれる熱気が、全身に感じられます。21時の開演が近づいてきたので指定席へ着席すると、程なく、オーケストラのチューニングが始まり、照明がゆっくりと落ちて指揮者が登場です。
ひと時の静寂の後、タクトが振り下ろされると同時に張り詰めていた空気が動き出し、いよいよ開演!今回は、人気の演目である、ジュゼッペ・ヴェルディの『アイーダ』を鑑賞しました。オペラでは珍しく、古代エジプトを舞台にした作品です。幕間を含めると合計4時間にも渡る大作ですが、始まると同時に、歌声とオーケストラの美しいハーモニーに引き込まれ、前のめりで食い入るように見てしまいました。また、闘技場だったにも関わらず、音響効果が素晴らしいことにも驚かされましたし、巨大ながらもデザインが細かなセットや飽きさせない演出にも驚くばかりでした。
皆様、時間を忘れるほどに見入り、終演後に時計をみて1時になっていたことにビックリ!そして、真夜中とはいえ、終演後もアレーナ周辺は熱気冷め遣らず、私たちも興奮状態のまま、まるで夢を見ているような心地でホテルへと戻ったのでした。隣に座っていたイタリアの方が、「先週も鑑賞した。明後日も鑑賞するんだ!」と嬉しそうに話してくれましたが、確かに、是非また鑑賞したいと思うほどの魅力があるように思います。その晩、なかなか眠りにつけなかったことは言うまでもありません。
余談ですが、私たちが興奮冷めやらなかったことにはもう1つ理由がありました。それは、天候のことです。野外開催のため、雨が降ればもちろん中止。当日、昼食後から雨が降り始め、ヴェローナへ向かう道中は本降りの雨になってしまいました。車内の雰囲気もどんより・・・。ところが、ヴェローナに到着後、パタッと雨が止み、急速に雲が晴れていったのです。この奇跡的な天候回復のお陰もあって、忘れられない体験となりました。(江間)
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