2011年10月 6日 (木)

巡礼路100km歩き。五感で感じる素朴なスペイン

北スペイン、サンティアゴ・デ・コンポステラへの道先日、「聖地サンティアゴへのラスト100kmを歩く」の旅に添乗させていただきました。
ここ何年かは毎年のようにサンティアゴに行くツアーの添乗をさせていただき、100kmを歩くツアーも、2年前の春にも同行させていただきました。(こちら
しかし、道というものは生き物で、行く度に違う表情が見えてくるので実に奥深いです。

さて100km歩く、というのはちょっと想像つかない、という方も多いかもしれませんが、通常聖地巡礼者が重い荷物を持って4日で歩く距離を、私たちは重荷をバスに預け、8日間に別けて歩きます。

季節はずれのヒマワリが満開!スペイン、サンティアゴ・デ・コンポステラへの道競争ではありませんから、ゆっくりゆっくり各自のペースを守って、道端の野花やキノコ、たわわに実った林檎や葡萄に時には手を伸ばして、田舎ののんびりした空気を胸に吸い込みながら歩くので安心です。
ご一緒したお客様も無事に皆様歩ききり、聖地への100kmの道を歩き巡礼を果たした証明、コンポステラーノを手にすることができました。

9月の北スペインはそろそろ秋の足音が聞こえる頃ですが、
今年は冷夏だったせいか、春に見るようなヒースや紫陽花などの花が道端にまだ残っていたり、政府の農業試験場には満開のヒマワリがあったり…
一方で吾亦紅(われもこう)やコスモスも咲きはじめていて、一年の花が勢ぞろいしたような、不思議な様相でした。

中世より、“巡礼者が家を訪ねたらキリストが来たと思って歓待せよ”、という教えもあり、
巡礼路沿いの小さな村は、素朴な暮らしを営みながらも、小さく黄色の矢印で道を示していたり、宿や食事の案内がさりげなく掲げられていました。スペイン、サンティアゴ・デ・コンポステラへの道沿いの民家

ちょうど収穫の時期を迎えるラズベリーやクルミ、林檎などを籠盛りにして、“お気持ちで”といった表示とともに庭先においてあるお宅もあり、とっても和やかな気持ちで歩くことができました。

日本と同じく、宗教に関心が薄い若者が増えているスペインやフランスでも、サンティアゴを目指す人々は少なくありません。
サンティアゴ・デ・コンポステラという明確な目標地点に向かって、ただひたすらに歩く、というのが、この道の何よりの魅力なのでしょう。
ともに歩く人たちや、道沿いに慎ましやかに暮らす人々との触れあいもまた、良いのだと思います。
歴史的な観点もありますが、スペイン・フランス両方でこの「聖地サンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼路」が世界遺産に指定されている意義を体感した気がします。

北スペイン、フィニステーレ岬巡礼の果て、聖地をへて人々は更に西に進みます。
私たちはバスに乗って、その場所「フィニステレ」へと向かいました。“地の果て”を意味する、大きく太平洋に向かう岬で、多くの巡礼者は、旅の間身に着けていた衣服を燃やし、新しいものに袖を通して、新しい自分に生まれ変わるのだといいます。

歩くことは旅の原点、そして旅することは生きること同じ

と、誰かが言っていますが、自分の足で歩いて感じてきた旅だからこそ、彼らのそんな喜びや感動を、私たちも分かち合うことができたのかなと思います。
(山岸)

>北スペインの旅はこちら

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