シルクロード大走破~その2:トルクメニスタン~
昨日に続けてお届け致します、シルクロード大走破の旅。本日は、まだ日本ではあまり知られていないトルクメニスタンをご紹介します。トルクメニスタンは、先日サッカー日本代表と試合のあったタジキスタンと同じ中央アジアの南に位置しています。ずばり、「お国の自慢は何ですか?」とガイドさんに質問したところ、①トルクメニスタン原産の馬、アハルテケ ②手織りの絨毯 ③広大な砂漠 という答えが帰ってきました。面積約48万8000k㎡の国土は日本の1.3倍の広さで、ガイドさんが自慢するカラクム砂漠が国土の85%を占めています。この乾燥した気候を利用して、綿花や葡萄の栽培も盛んです。また、天然資源が豊富な国で、基本、電気・ガス・水道が無料!しかも、車1台につき1ヶ月120リットルまでガソリンが無料で支給されます。追加分も、1リットル=20セント程だそうで、うらやましい限りです。
首都アシハバードはイランとの国境近くの南部にあり、近年急速に発展している街です。新市街は、ラスベガスやドバイを思わせる高層ビル群にネオンが輝き、コンクリートの道路をピカピカに照らしています。5ツ星の快適なホテルもあります。緑化計画も進められていて、砂漠の街から緑豊かなオアシス都市に変わろうとしています。
独立記念塔の前を通りかかると、結婚式を迎えたカップルと親戚・友人一同が記念撮影をしていました。実は、今回の旅ではウズベキスタンでも、度々新婚カップルを見かけてきました。しかし、何かいつもと様子が違います。というのも、ウズベキスタンの花嫁さんは西洋スタイルで白のウェディングドレスを着ていたので、遠くからでも一目で新婚カップルということがわかりました。しかし、トルクメニスタンでは人垣は見えるのですが、一体どこに新郎新婦がいるのかわかりません。よく見てみると、新婦さんは伝統の衣装に身を包み、しかも頭からヴェールを被っていて顔を見ることができません。トルクメニスタンではまだ伝統的な文化が色濃く残っていて、結婚式が終わるまで花嫁さんは他人に顔を見せることが出来ず、また、第一子が誕生するまで、義理の父母・祖父母と話すこともできません。
アシハバードの国立博物館にも結婚式用の民族衣装が展示されていて、衣装とヴェール、銀飾りを全て含めた重さは38kgもある、という説明を受けました。「重くないの?」という質問に、博物館のガイドさんは「トルクメン女性は強いからね!」とおっしゃっていました。翌日、アシハバードから世界遺産メルブ遺跡近郊の街、マリィへ移動する国内線で、まさにその38kgの衣装を身にまとった花嫁さんを見かけましたが、一歩進む度に装飾具が鳴り、ヴェールをしているので前も見えにくい為、歩くのが大変そうでした。花嫁さんが空港に降り立つと、太鼓や笛の楽器隊が盛大に出迎えていました。
トルクメニスタンの女性は、結婚式などの記念行事がある時だけではなく、日常的に民族衣装のロングワンピースと大判のスカーフを着用している人が多いのも特徴です。日本では浴衣でさえ夏の花火大会くらいしか着る機会がなくなってしまったことを思うと、歴史ある伝統文化をいつまでも母から娘へ、受け継いでいってもらいたいと思いました。(鈴木寛子)
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