ぽっかぽか、ポーランド
先日、「ポーランド一周の旅 13日間」より帰国致しました。北はバルト海に面するグダニスクから南はスロヴァキアの国境にほど近いザコパネまで、ゆっくり時間をかけて巡りました。面積が日本の4/5ほどの大きさのため、バスでの移動も長いのですが、今回は木々が黄金色に染まる並木道をドライブ。樺太と同じ位の緯度があるポーランドでは10月ごろが黄葉の季節。道だけでなく、村の教会や公園を彩り、ベストシーズンと考えられがちな春や夏とはまた一味違う素朴なヨーロッパらしい風景が広がりました。
ポーランドはスラブ語で「平原の国」を意味する言葉からきているとされているとおり、見渡す限りの平原が続きます。ポーランドはフランスやイタリアなどと比べると日本人には馴染みが薄い観光地かと思います。最近ではショパンやキューリー夫人、地動説を唱えたコペルニクスなど、名高い著名人を輩出したことでも知られていますが、社会主義時代やアウシュビッツなどの負のイメージがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。行ってしまえば、そのイメージは一瞬で吹き飛んでしまうのです。
ポーランドにはかわいらしい素朴な街がたくさんあります。例えば、小人が住むと言われているヴロツワフ。ポーランド第4の都市とも言われていますが、人口は約735万人。街の約70%が第2次世界大戦で崩壊し、修復された新しい街に住み着いたのがノームと呼ばれる小人たちです。気候も食事もいいことから東欧から集まってきて人口はどんどん増えているのだそうです。街のいたるところにノームの姿を見ることができます。街にもノームが過ごしやすいよう様々な工夫がされています。例えば、人間の銀行にはノーム専用の小さなATMがあり、ノームがお金を引き出していました。疲れ果てて眠ってしまったガードマンのノームなど、ユーモア溢れるノームの像は大人気で、カメラを構えた観光客に囲まれていました。
そしてポーランドの食事は素朴ですが、おいしいものもたくさんあります。「平原の国」、ポーランドは野菜大国。各地にジャガイモやトウモロコシ、小麦の畑などが広がります。何と言っても、ポーランドで忘れてはならないのがスープです。赤カブを使ったスープや赤紫色のスープや地元のジャガイモや野菜を使ったは寒い冬を迎えるポーランドになくてはならないもののひとつです。今回はポーランド南部のザコパネで初雪に見舞われるなど、肌寒い日もありましたが、その日の夜はパンでできた器に入ったぽっかぽかのマッシュルームスープでホッと一息。体の芯から温まります。
また、温かいのはスープだけではなく、ポーランド人もとても温かいことに関心しました。田舎町で出会ったヨチヨチ歩きの男の子は始めて見るだろう外国人の私たちを見て笑顔で手を振ってくれました。子供たちの遠足にもよく遭遇しましたが、笑顔で「こんにちは」と声をかけてくれ、思わぬ歓迎にビックリ!日本語を教えている小学校も多数あるそうです。
馴染みがないと考えられがちなポーランドですが、日本との関わりはとても深く、ロシア革命後に日本政府がポーランド人孤児を保護したことや、杉原千畝による「命のビザ」の発行で多くのポーランド人が救われたことを今でも覚えている人が多く、親日家がとても多いのです。「スラブのラテン人」とも呼ばれるほど、ポーランドには熱い心を持つ人が多いと言われています。阪神大震災のときには震災児童を招待し、ポーランドの家庭で受け入れたこともありました。また、ワルシャワやクラコフの大学では日本語や日本美術の研究が盛んに行われているのです。百聞は一見にしかず!是非、ポーランドへ足をお運び下さい。(丸谷)
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