2011年11月 7日 (月)

スペイン版お遍路さん

Road

 「楽しく歩こう!北スペイン巡礼の道」より帰国しました。
スペインに行くのに、わざわざ「北スペイン」というのも不思議に聞こえるかもしれません。「スペイン」と聞いて想像するのは、まずはロマンチックなアルハンブラ宮殿が残るグラナダや、カルメンの舞台で名高いセビーヤが位置するアンダルシア地方ではないでしょうか?「光と影」とよく形容される、まさにスペインを象徴する観光地です。しかし、日本の観光地も京都や東京、富士山ばかりではありませんよね。スペインの北部には、私たちのスペインに対する先入観を覆すような、南とは全く異なる風土や自然、風景が迎えてくれます。

 その一つが、「巡礼の道」です。ピレネー山脈を越えて、遠くフランスから北スペインの端、聖地サンチャゴまで延びている巡礼の道。今回、私の心を捉えたのは、その道をひたすら歩く巡礼者たちの姿でした。大きなリュックを背負い、ストックを持ち、巡礼のシンボルである貝をぶら下げて、長い長い一本道を歩く人々。一心不乱に、かといって決して辛い表情ではなく、ただひたすらに足を動かす人々。私は四国出身ですので、白い装束で歩くお遍路さんの姿には馴染みがありますが、バスの傍らの細い田舎道を前に向かって無心に歩く姿に心が動かされました。巡礼者にはルート上の教会や、カフェでもしばしば見かけます。休憩中の巡礼者たちとお喋りをするのも楽しみのひとつ。

Real

 「どこから来たの?」「ドイツからだよ。仲間4人と歩いてるの」「ノルウェーからさ。君たちはバス?次回は歩いてごらん。楽しいよ~。大変だけどね」今回、立ち寄ったカフェで出会った、イタリア出身の若者は、なんと一輪車でサンチャゴを目指しているとのこと。ヘルメットに小型カメラをつけて、自分の旅の様子をWEB上で中継しているそうです。「来年は日本に行くよ。四国八十八箇所を狙っているんだ」と言っていました。巡礼のスタイルも多様化しているようです。

 さて、ツアー名にもあるように、今回の旅のテーマはスバリ「歩く」です。バスから巡礼者の姿を眺めているだけでは勿体無い!体がムズムズして自分も歩きたくなるのが人の心というもの。ということで、4回ほど巡礼の道のハイキングの機会を設けているのです。
 ありがたいことに、今回は毎日雲ひとつない晴天。澄み渡った青空の下、最初の一歩を踏み出しました。ハイキングに選ばれたルートは、長い巡礼路の中でも歩きやすく、景観が良い田舎道。周りには刈り入れが終わった麦畑や、ぶどう畑が広がっています。色づき始めた森を眺めながら、土の道を踏みしめる心地よさは何とも言えません。中でも忘れられない光景があります。朝の凛とした空気を肌に感じながら原っぱにぽつんと立つサンタマリア・デ・エウテナ教会をスタートし、少し丘に登って来た道を振り返りました。すると、その教会が白い朝靄にうっすらと包まれていたのです。まるで一幅の絵のような、幻想的な光景でした。
 また、この時期、スペインの朝は遅く、8時ぐらいにようやく明るくなり始めるのですが、巡礼路上の村であるカストロヘリスに着いた時は、まだ夜明け前のような趣でした。東の空は明いものの、頭上にはまだ星が瞬いています。バスを降りて、いざ村の散策を始めよとしたときのことです。ふと見ると、村の入り口の教会の上にぽっかりお月様が!まだ目覚める前の村の静けさを味わいながら、石畳の道をゆっくり歩くのは、心が落ち着くひと時でした。ところで、道に迷わないかご心配な方もいらっしゃるでしょう。ご安心下さい。所々、足元の道の石や家の壁に貝マークがついてあり、巡礼者を導いてくれるのです。貝マークを探しながらの散策を面白いものです。秋の風景と歩く楽しさを実感した旅となりました。(大西)

スペイン巡礼の旅のツアーはこちら

|

ユーラシア旅行社のハイキング情報」カテゴリの記事

ユーラシア旅行社の西欧・南欧情報」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。