2011年12月15日 (木)

仏教芸術と古き良き中国を感じる中原の旅

Incatsle
 先日、「雲崗・龍門と中原の旅14日間(中国)」より帰国しました。
 ツアータイトルの中原(ちゅうげん)とは、中華文化の発祥地である黄河の下流域にある平原のことです。
古くは現在の河南省一帯を指す言葉でしたが、後に漢民族の勢力が拡大し、河南省を中心として山東省の西部~河北省~山西省の南部~陝西省の東部にわたる華北平原を指すようになりました。

 現在、中国には漢族と55の少数民族が共存していますが、こちらのコースでご案内する河南省・河北省・山西省に占める漢族の割合はほぼ10割。漢族が4000年かけてつくりあげた中華文化の発祥地であり、中原で花開いた仏教文化の中心地だと頷けます。

 見どころが多い中原の旅行の中で今回は中国3大石窟の一つに数えられる龍門石窟と平遥古城に関してレポートしたいと思います。

 山西省の平遥古城は近郊の双林寺と鎮国寺と合わせてユネスコの世界遺産に登録されています。
平遥の一番の見どころは何と言っても、14世紀の明代始めに造営された城壁と内城の町がそのまま残っている点です。明代から清代にかけての中国の典型的な城郭や街路の配置や商店や住居などの古建築の保存状態が大変素晴らしく、一度城壁の内側へ足を踏み入れると、そこはまるで映画のセットの中のようであり、気分が盛り上がり胸が高鳴りました。
 朝、古城内のホテルを徒歩で出発し、ガイドさんを先頭に観光開始です。もともと清代末期までは山西商人の拠点であり、中国の金融中心地だったので、当時の銀行や役人の邸宅を見学しました。又、大通りである南大街にはお店も沢山並んでいて、ひやかしながら歩くだけでも楽しいです。又、14世紀から残る城壁の上を実際に歩いて内城と外城を見渡せます。中国では長い歴史の中で戦火にあったり、改築されて昔の都市がそのまま残っていることは大変少ないので、この平遥古城のように古い町並みがそのまま残されているのは大変珍しいのです。観光の時間だけでなく、古城内に位置するホテルに宿泊するので空き時間を利用して散歩することも出来ます。朝のお散歩はとても気持ち良いので、お勧めです。

Buda 敦煌莫高窟、龍門石窟と並ぶ中国三大石窟に数えられる雲崗石窟世界遺産に登録さていて、山西省に位置しています。
 雲崗石窟は北魏時代460年頃の曇曜五窟がその始まりで、東西1kmに渡り53の石窟が残り、大小合わせて何と5万体以上の仏像が現存していて点が見どころです。
 ホテルを出発してから30分ほどで雲崗石窟に到着。敷地はとても広く、徒歩と電気カートで回りました。
1窟から順に東部の石窟群、五華洞が特に有名な中部の石窟群、そして、この雲崗石窟の始まりである曇曜五窟がある西部石窟群と見学しました。第20窟がこの雲崗石窟のシンボルの仏像であり、座高は約14mもあります。とても柔和な表情が印象的です。見学が終わる頃には、特に信奉する宗教があるわけではない私でも、その仏教芸術に心が癒される一時となりました。

 経済的に躍進が続く中国。上海、北京などの大都会も良いですが、中原の旅を通して仏教芸術・文化に触れたり、古き良き中国を体感することが出来たことがとても印象的なものとなりました。(髙山)


中国へのツアーはこちら

|

中国・モンゴル情報」カテゴリの記事

世界の歴史情報」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。