新世界遺産ワディラムを訪ねる(ヨルダン)
先日、ユーラシア旅行社の「憧れのペトラとヨルダン周遊」の旅から帰国いたしました。中東の“優等生”ヨルダン。1994年にイスラエルと和平条約が結ばれてからは徴兵制も無くなり、首都アンマンはその治安の良さから、ヨルダンのみならず中東地域の金融・商業の中心地としてめざましい発展を続けています。
今回訪れた世界遺産は2ヶ所。ツアー名にもあるペトラ遺跡と、今年登録されたばかりの新世界遺産ワディラムです。「ワディ」は谷、「イラム」は高い山のこと。赤い切り立った崖や小山、同じく赤い砂漠が広がる不思議な光景の中をジープで走り抜けます。ハンドルを握るのはベドウィンの地元青年でした。彼らベドウィンの移動手段も徐々に機械化してきているようです。
まず見えてきたのは「七つの知恵の柱」と呼ばれる岩山。映画『アラビアのロレンス』のモデル、トーマス・エドワード・ロレンスの著作の題名に採られたことで有名です。ちなみにワディラムは同映画のロケ地でもあります。しばらく走ると「ロレンスの泉」に到着。砂漠の遊牧の民にとって水場の位置は極秘中の極秘であり、かつては他部族の管理する水場の水を勝手に飲むと殺されても文句は言えないほどだったとか!?もちろん今はそのようなこともなく、近くのベドウィンのテントでお茶をご馳走になりました。
束の間のティータイムの後、到着したのは「ハザリ山峡」と呼ばれる場所。ここには大昔から隊商が暑さ寒さをしのぐために使っていた岩の裂け目があり、壁面には紀元前1~2世紀に描かれた動物や14世紀に書かれたコーランの一節など、いわば大昔のラクガキが残っています。
岩の裂け目から出ると遠くには点々と放牧されたラクダの影。機械の無い時代ラクダは砂漠を行く人々に“陸の船”と呼ばれ珍重されていたそうです。私達は現代版“陸の船”であるジープに乗ってこの赤砂の世界を後にしました。(三輪)
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