結婚シーズン真っ盛りのキルギスで
この度、「カザフ・キルギスからトルクメニスタンへ 13日間」のツアーより帰国致しました。
典型的な大陸性気候の中央アジアは日本より少し早く冬が訪れており、場所によっては積雪もありました。
しかし、澄みきった空気の中で雄大な自然を間近に感じる事ができるのも、この季節ならではの魅力です。バスの移動中には天山山脈の支脈がいつも見えており、途中の青空トイレ休憩では皆様も寒さを忘れ、その美しい景色をカメラに収めていらっしゃいました。
更に、この季節は中央アジアの結婚シーズン!行程中、あちこちで新婚カップルを目にする事ができ、私達をほっこり和ませてくれました。
先日、「シルクロード大走破」から帰国した鈴木のブログではトルクメニスタンとウズベキスタンの結婚について取り上げていましたが、今回はキルギスの結婚の模様をお届けしたいと思います。
このカップルにはキルギスの観光地、ブラナの塔で出会いました。ブラナの塔とは10~13世紀に栄えたイスラム系王朝、カラハーン朝の首都であったバラサグンに建てられた大きなミナレット。キルギス人は、結婚式を挙げたあと、友人達と共に有名な観光地を訪れ、記念撮影や披露宴で流すビデオ撮影をするそうです。
ブラナの塔は24Mの高さがあり、脇にある螺旋階段を用いて頂上に登ることが出来ます。かなり急な上に暗いので、懐中電灯を使いながら1段1段ゆっくりと登り、やっとの思いで頂上にたどり着くと、そこではビデオカメラを携えたカップルの友人達が地面の方へカメラを向けていました。「何を撮っているの?」と聞いてみると「下を見てよ!」と言われたので、見てみると…なるほど、今回の撮影場所にブラナの塔が選ばれた理由がわかりました。
普段は周辺の農村風景や山々、遥かかなたの地平線を望むことが出来るのですが、今回は下に残っていたカップルの友人達が綺麗なハートを作っていました。これにはお客様もびっくり!
下に降りると、私達を交えてのビデオ、写真撮影大会に!「いいビデオが出来た!ありがとう!」と言いながら、カップルと友人たちは車で町へ向かって行きました。
ガイドさんに聞いてみると、こうして記念撮影を終えた後は町のホテルやレストランで披露宴を行うそうです。披露宴には親戚や隣人、さらにその友人など少なくとも150人、多い人では500人もの人を呼ぶ事もあるそうですので、知らない人がいるのも当たり前だとの事。ご馳走を食べ、お酒を飲み、踊りながら、出来たばかりの写真のスライドショーやビデオを流し、盛大にお祝いをするのです。そんな一生に一度の思い出づくりに立ち会えたこと、更に出演までさせてもらえたことに、なんだか嬉しくなりました。
その後、バスの中ではお客様からこんな質問が。
「ガイドさんは結婚式にどのくらい呼んだの?」
「私も150人くらい呼びました。赤字でしたけどね…多分彼らもそうだと思います。」
照れ笑いを浮かべながら嬉しそうにそう話すガイドさんを見て、自分たちの幸せをなるべく多くの人と共有しようとするキルギス人の暖かさに触れたのでした。(冨永)
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