トイトレインに乗車しました!(インド)
トイトレインはダージリン~ニュー・ジャルパーイーグリー間を南北に約88km、いくつもの山の起伏を越えて走っていますが、今回私たちが乗車した区間はダージリンからグーム駅間の約40分でした。出発の40分ぐらい前にダージリン駅に着くと、もうホームにはトイトレインが停まっていて石炭を燃やして出た黒い煙がもくもくとホームを覆っていました。
普通ならば、黒煙なんて避けたいものでしょうが、トイトレインが出す黒煙は気にしないというか、この古さが良いのでしょう、観光客は皆黒煙の出所である蒸気機関で作業をしている従業員の様子を見守り、黒煙にまみれながら記念写真を撮ったりして、出発時間まで過ごしていました。
従業員たちは整備に余念がありません。
それもそのはず、トイトレインはダージリンティーブーム幕開けの1881年に開通し、今でもその当時と同じモデルで走っているのです。
古い部品は今では一般には販売されていませんから、独自に作っています。
100年以上も前のモデルの列車ですから、出発前の準備は入念に、そして出発後も何度か停車してはチェックを怠りません。
さて、いよいよ出発です。
16:00発とのことでしたが、観光客は随分早くから全員乗車済みで、車掌さんのチェックも終わったので、定刻よりも早く汽笛が鳴り、ダージリン駅を発ちました。時速10km程度で走る列車は外から見ると遅く感じられ、すぐ横を走る車もぶつからないようにと速度を落としてくれるのですが、列車に乗っていると意外にも速く感じられました。
それはきっと列車の古さに起因するものなのでしょう。
約60cmしかないレール幅の上を重たそうに蒸気機関車に繫がれた2車両が私たちを載せて走って行くので、体感速度は意外と速いのです。
窓の外に目をやれば、手の届きそうな場所に民家や人々が見え、ダージリンの町の向こうには真っ白なカンチェンジュンガがいつまでも見えていました。
古い蒸気機関車からのこれらの眺めは最高です。
汽笛も、煙も、窓のそばまで飛んでくる火の粉も、何もかもがトイトレインの時代を物語っていて面白い。
そして、列車は大きな汽笛と煙とともに馬力を出して山道を登って行きます。
トイトレインのルートにはトンネルはありませんから、山道を登っていく手段のひとつとして、線路をループ状に作り、少しずつ登っていきます。
ダージリン~グーム間には、バタシアループという見事なループがあり、ぐるぐる登って行くとその上の開けた公園に辿り着きます。
そこでは下車をして記念写真を撮れます。
再び乗車してループを下り、町中を走り、定刻通りにグーム駅に到着しました。
ホームでも列車と記念写真を撮ろうとする人だかりはなかなか消えませんでした。
その後、グーム駅にある小さな博物館を見学した後、駅舎の外で私たちに声をかけてくれた男性は、列車の車掌さんでした。
すっかり陽も暮れ、これから家路に着くのでしょう。
車掌さんに挨拶をし、私たちも駅を後にしました。 (飯岡)
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