2012年1月 5日 (木)

ほっこりの国ブータン

 昨年2011年11月20日、日本国内ではブータン国王夫妻が来日し、ブータンという国名の知名度も好感度もあがったときの出発でした。

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ブータンという国名を聞くと『国民総幸福量(GNH)』という言葉がひとつ挙げられます。国の経済発展が国の豊かさではなく、国民が幸福に思っているかどうかが国の豊かさであるという先代国王が1976年に発言したものです。財産の多さ、物質の豊かさという物質主義ではなく、現金収入が高くなくても、人々がお互いに尊厳を持って平和で穏やかに暮らすことができる社会であること、満足感や価値観の豊かさが幸せである、という精神主義をブータンは国の柱にしています。

ブータンの国を何度か訪れましたが、そのたびにほっこりさせられます。峠から眺めたヒマラヤの山々の壮大さ、雪解け水が清らかに流れる川。自然界の要素を表す赤・青・黄・緑・白の五色が溢れる寺院や経文旗が山々という本物の自然と溶け込む不思議さ。道の途中で季節物の野菜を売るミニミニ市場。ビニールハウスなどないので、季節の野菜がなんなのかがわかり、訪れる月日によって並ぶ野菜が違うので毎回面白く感じます。11月末ではりんごがたくさん売られています。野菜の横に鍋が置いてあり、何があるのか蓋を開けてもらえば手作りソーセージ。その土地、その場所、売る人ならではの品物が並ぶので、見る場所によって市場は楽しい。多くの野菜が農業の技術指導の為にブータンに来た西岡京二さんがブータンに持ち込んだものであり、それらがいまでは当然のように市場に並んでいる光景は胸を熱くさせられます。手を振ると子供達がはにかみながら笑顔で手を振り返してくれ、写真を撮らせてーと手招きすると無邪気に駆け寄ってくる。照れて隠れちゃう子、前に出てポーズを取る子、友達と肩を組んだり仲良く整列したりとひとりひとりの個性が写真を撮ることで垣間見れ、初めて会った子達なのにとても親近感と愛しさを感じます。

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町中や村、民家の近くではおじいちゃん、おばあちゃんが孫の面倒を見ていたり、お父さんが赤ちゃんを背負ってあやしていたりと家族みんなで子供の世話をするほほえましい光景。ホテルの部屋に虫がいるから殺虫剤を持ってきてと頼むと、二人の女の子が手にタオルをもって飛び回る虫を追い掛け回し捕まえて外に逃がしてあげた輪廻転生を信じるチベット仏教の精神を目の当たりにした衝撃。若い夫婦が3歳くらいの子供を連れてお寺に詣でたとき、親が仏様の前で五体投地をしてお祈りする姿を見て、親は子供に対して同じようにお祈りするようにと言っている訳ではないのに、子供が両親の姿をじーーっとみて真似をしていました。 同じ光景を何度か違う場所で出くわし、私はこの光景がとても感動して心に焼きついています。

ブータンでは国による医療・教育の無償、民族衣装を公共機関で着用する義務化、豊かな自然を壊さないように山に穴を開けて造るトンネルはひとつもなく、橋をたくさん架ければ移動距離も短くなるのに景観を壊さない為に道路は山に沿うように造られています。幸福は、自分達を取り巻く環境や自国の文化の維持、継続、国や自治体の支援が必要な要素と考えられており、ブータンの国を見たり聞いたり知ったりするとなるほど考えられてこうした政策や景観、環境が生まれているのだなと思わされます。

 それでもインターネットを介して世界中の情報やスマートフォンなどの物質もブータンに流入し、首都ティンプーはホテルやお店、レストラン、他の地域から働く為に移り住む人々の住居など建設ラッシュが生じています。

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私が初めてブータンを訪れた5年半前からすごい勢いで発展し、この発展が精神主義とどう均衡を保っていくのだろうと不安にも感じました。若い国王夫妻はふたりともに海外への留学経験もあり、外国の発展振りなどを見知っています。そのお二人と民主主義に移行しての議会が今後物質主義にならないようにブータンをどう保っていくのか、発展しつつどう変化の舵取りをしていくのか。発展と共に精神主義を保つ結果が何十年後かに現われたなら、その過程は世界中で注目されるものになるのではと、ブータンを訪れると他人事ではなくとてもブータンがとても気になり、大きな期待を感じずにはいられません。

なぜかブータンは私達を魅了します。たくさんの理由があるでしょうが経済発展と共になくしてしまったものをまだ持っていて、これから発展しつつも失くさないでいこうとする世界の先進国ができなかったことに小国ブータンが挑もうとしているからなのかもしれません。(髙橋)

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コメント

ブータンの子どもの表情がとても素敵ですね。
私も是非行ってみたい国です。
今年は体力を回復して行かれるようになりたいです。

投稿: Lisa | 2012年1月 5日 (木) 11時51分

Lisa様

コメントありがとうございます。
ブータンの子供達の笑顔は、瞳がキラキラしていて無邪気でとても素敵で、
私は毎回子供達の笑顔に心ほっこりさせられつられて笑顔になり、元気をもらってます。

Lisa様の体力のご回復とブータンへの旅のご参加を心よりお待ちしております!

まずは冬の寒さと乾燥した空気によるお風邪をひかないようご自愛下さい。

投稿: 添乗員:髙橋 | 2012年1月 6日 (金) 12時28分

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