ミャンマー人の晴れ舞台
そんな仏教国ミャンマーでは一生に一度は仏の道に進み、僧として生活することになっています。期間は3日間の人もいれば、3ヶ月間を過ごす人もいます。僧の道に進む儀式として、華やかな得度式を行うのですが、今回はマンダレー最大の寺院で、マハムニパゴダで得度式を見学することができました。マハムニパゴダはお釈迦様が自らの魂を入れたとされている仏像がご本尊に置かれていることで有名です。毎日お坊さんがその仏像の顔を洗い、歯を磨いてあげ、その水は聖水として参拝者に配られます。残念ながら、そのありがたい仏像に近づけるのは、男性のみ。私を含め、女性は外で写真を撮りながら待っていると、大きな果物カゴを持った女性を先頭に、白を基調としたドレ スに身を纏った人々が行列をつくって、本尊の前に並び、お祈りを始めました。得度式が始まったのです。通常はサンスクリット語の意味を理解でき、規律を守れる6歳位からだと言われていますが、最近は孫の晴れ姿を早いうちに見たいと低年齢化が進み、今回私たちが出会ったのはなんと3歳になったばかりだそう!緊張しながらも、小さな手を合わせ、周りを気にしながらお祈りをしている様子が印象的でした。僧侶になりたての小さな男の子のあまりのかわいさに、まるでアイドルのようにカメラを持った人に囲まれ、泣いてしまいそうでしたが、もうすでに涙を浮かべていたのは、彼の祖父母の方。まさに一生に一度の晴れ舞台なのです。
結婚したカップルにとって、最も望むことは男の子を授かり、得度式に出すことだそうです。自分の息子を僧侶にすることは功徳をもたらすと言われていているので、まだ子供のいない私たちのガイドさんもその日を夢見て、貯金をしているのだとか。
功徳のおすそ分けなのか、その後は天候にも恵まれ、三大仏教遺跡のひとつでもある、バガンで2011年を締めくくりました。そして、翌日パゴダの並ぶ遺跡を真っ赤に染める初日の出を前に気持ちを新たに、ミャンマーの地を後にしました。(丸谷)
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