アンコール遺跡と共に成長するカンボジアの人々
さて東塔門から遺跡の中へ入っていきます。東の参道を歩き、遺跡が見えてきたところのすぐ脇のところが2001年に274体の仏像が発見された場所です。その部分はすでに発掘は終わり、発掘前の状態に戻されています。当時の発掘は、アンコール遺跡の研究者にとって世紀の大発見となりました。それだけではなく、カンボジア人にとっても、自分の国への誇りを取り戻すきっかけともなった素晴らしい発見でした。
その後、発掘体験場所へ。バンテアイ・クデイの濠の南側が今回の実習場所。発掘方法の説明を受けたら早速発掘体験に移ります。
掘る時は出土するものを傷つけないように土の表面を優しく撫でるように。一ヶ所だけ深く掘りすぎると出土品の年代にバラつきが生じてしまうので、一定の深さまで掘ったら場所を移動します。長年埋っていたものなので、正直、出土したものが本当に貴重なものなのか、単なる石ころなのか土を落として洗うまでは見分けはつきません。
それでも、暑い中、皆様、世紀の大発見を夢見て(?)せっせと汗を流されていました。また新たな発見が成されるのもそう遠い将来ではないと感じました。
上智大学が発掘、修復、研究を行なっている遺跡にはカンボジアの人達がたくさん働いています。カンボジアの人達の手で、遺跡を守り、修復することができるように、と上智大学が指導を行なっているのです。近くには2011年12月にオープンしたばかりで、発見当時の様子を再現するために建てられた上智大学アンコール文化遺産教育センターができており、早速見学しました。
カンボジアの歴史の授業では、自分たちの素晴らしい先祖達が築いたアンコール王朝については教えられていないため、このような活動を通して自分たちの国にある遺跡の素晴らしさについて知ってもらい、将来、カンボジアの人達の、カンボジアの人達による、カンボジアの人達のための遺跡の発掘、修復、研究が成されるのを期待したいです。(篠原)
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