パタゴニアの大地を駆け抜ける!俊足な動物たち
日本の国土の約2倍もの面積を持つパタゴニアの大地、長い陸路移動が続く日もありますが、スケールの大きい景色は私たちを退屈させることはありません。ある時は背後に聳えるアンデス山脈と氷河によって生み出された真っ青な湖、またある時は、だだっ広い大草原(パンパ)をひたすら駆け抜け、羊の群れを追うガウチョ(羊飼い)に出会えることも。今日はそんな道中で、出会った動物をご紹介します。
パタゴニアを代表する動物と言えば、グアナコです。まつげの長い大きな目、すらりと伸びた首がアンデス地方のリャマに似ている?それもそのはず、グアナコはラクダ科リャマの仲間。のんびり、平和的に見えますが、時速50kmというスピードで走ります。よく群れを成して生息しているため、遭遇率がかなり高い動物です。その群れをよく観察してみると、特別体の大きなグアナコが一頭と、あとは比較的小柄なグアナコが集まっています。実はグアナコはハーレムを形成し生息する動物で、通常一匹の雄に対して4匹~10匹程の雌が一緒に生活します。ガイドさんの話によると、雌が出産した子供は、生後6ヶ月~一年間はハーレムの中で親と共に暮らすのですが、その後、その子供が雄のグアナコであれば、ハーレムのトップである雄に群れを追い出されてしまうのだとか。そして追い出された子供は、今度は自分のハーレムを形成するため、たった一人大地を彷徨い、一人前の男になるべく鍛えていくのだそうです。グアナコの世界も楽なものではありません。ある時、車窓から、たった一人でパンパを駆け抜けていくグアナコに遭遇しましたが、きっと彼もまた、そんな境遇に立たされた一人(一匹?)なのだと思うと声援を送ってやりたい気持ちになりました。
また一方で雄が子煩悩な動物もいます。ガチョウの仲間のニャンドゥ(チョイケ)は巣作りか ら、卵を孵化させ、雛を育てる過程をすべて雄が行ないます。一夫多妻制のニャンドゥの世界では、雌は雄が用意してくれた巣に卵を産み落とすだけ。今回のツアーでも何度かニャンドゥファミリーに出会いました。パタゴニアの春(10~11月)はグアナコやニャンドゥをはじめ、ペンギンや鵜の雛が孵る時期。そして私たちの訪れた夏は、好奇心いっぱいの雛たちが元気よく外の世界に飛び足し、走り回ったり、お父さんやお母さんの真似事をして成長していく時期なのです。ニャンドゥの子供たちは、お父さんを見失っては大変!と一生懸命にその後を追っていました。そのヨタヨタとした足取りがとっても可愛い!長いバス移動中の癒やしのひと時でもありました。(三橋)
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