カンボジアで村訪問
12/27発「アンコール歴史物語7日間」の添乗に行ってきました。アンコール遺跡修復・発掘の第一人者と言われる石澤良昭先生に5日間同行して頂き、アンコールワット周辺の遺跡から郊外の大プリヤカーン、ベンメリア・コーケー遺跡まで足を延ばして見てきました。
遺跡の観光はもちろんカンボジアの旅には欠かせないものですが、今回は遺跡観光以外に、現地の人たちの生活を垣間見る体験をしてきました。
上智大学アンコール遺跡国際調査団が1992年から発掘調査しているバンテアイ・クデイ遺跡の近くにある200世帯が生活しているロハル村を訪れました。アンコールワット周辺は観光整備が進み、綺麗に舗装された道路を観光バスが走ります。その道路沿いに見える木々の奥にその集落がありました。今回この村を訪問したのも、昨年の夏、バンテアイ・クデイより新しく仏像が発見されましたが、それを見つけ報告してきたのが近隣に住む子供達であり、また遺跡発掘に伴い近隣の村人たちとの普段からの関わりを上智の人たちはとても大切に思っているからでした。
子供達は私達のまわりを無邪気にはしゃぎ駆け巡り、大人もたくさんの日本人が訪れたもの珍しさで家から出てきました。通年暑い気温と雨季にスコールがよく降ることから住居は高床式。昔ながらのものだと住居の素材は壁も屋根もヤシを用いますが、最近の住居では木材で造られた高床式もありました。一軒の高床式住居におじゃまさせて頂きましたが、10~12畳のスペースに家族4人が平均で住んでいて、電気は近年各家に通ったそうですが、水道はまだひかれてなく村の井戸や大甕に溜めた水を使い、調理も屋外で材料を切ったり洗ったりし薪や炭で火を熾していました。子供達は裸足で、小さい子になると真っ裸。おにちゃん、おねえちゃんが小さい子の面倒をよく見ていて兄弟姉妹問わず、みんなが仲良く遊んでいました。
アンコールワットの遺跡周辺は、観光化が進んだ数年前から遺跡周辺に住むことは禁止されていますが、元々住んでいた人たちに限ってはそのまま住むことが許されていました。でもその暮らしぶりは整備された道路を走る観光バスの車窓からは見えないように木々で遮られていましたので、こうして一歩村へ入ってみると、昔より外貨を稼いだり電気がひかれたり、国自体の発展もあり生活は向上しているのに、まだまだ素朴な生活をしていたのは意外でした。
シェムリアップの町中を見ると立派なホテルや素敵なカフェやレストラン、お土産屋がどんどん建ち、カンボジアはすごい発展をしているなと思いましたが、まだまだ全てがそのようではないということを村を訪問して思い直しました。それでもここに住んでいる人たちのとびっきりの笑顔に幸せオーラを感じもし、自分も気持ちが暖かくなるような感じがしました。カンボジア=遺跡の目線をちょっと変えるだけでカンボジアをもっと知った感じがした村訪問でした。(髙橋)
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