ひと足早い春を堪能!少数民族の宝庫、雲南にて菜の花と棚田を楽しむ(中国)
先日、中国・雲南省より帰国しました。「羅平の菜の花畑と元陽の棚田8日間」という、中国奥地の農村を巡る旅です。雲南の緯度は、沖縄の宮古島と同じくらいで暖かい地方ですが、元陽も羅平も少し標高が高いので霧がかかりやすく、お天気に左右されやすい土地です。そこでこの旅は元陽に3泊、羅平に2泊同じ宿に腰を落ち着けてベストショットを狙う、ゆったりとした日程となっています。
初めの行先は元陽。標高1800メートルの元陽はロンドンよろしく「霧の都」と呼ばれる町です。その名に恥じず、始めの2日は3メートル先が霧で真っ白で、展望台に上がっても一面霧の世界。バスのドライバーにとっても難易度の高い移動だったに違いありません。霧は生き物で、ふとした瞬間、風に流れて棚田の風景を見せてくれることもありました。こちらの展望台では棚田がくっきりと見えているのに、あちらの展望台は霧で真っ白の世界ということもよくあります。ガイドは神に祈りを捧げて棚田が見えるようにお願いをしていました。最後の滞在の3日目、運は私たちの味方でした。いくつかの展望台で今までに見られなかった棚田の風景が眼前に現れたのです。
午後に向かったのはバ達の展望台。2日間、ここに来ていましたがいつも霧で棚田の「た」の字も見えませんでした。今日はどうかと気を揉んで歩を進めると……参加者の方々から歓声が上がりました!そこには壮大な風景が広がっていました。地図の等高線を見ているように山の斜面にびっしりと細かく築かれた棚田。これを人間の手が作り出したとは考えられません。まるでグランドキャニオンのように何百万年も前に隆起した土地を見ているような感じです。この棚田はこちらに住むハニ族が1200年前から耕し始めて、未だに守り続けているものです。水の張られた水面が夕日に当たると反射し、世にも美しい光景が目を奪いました。
少数民族に出えるのもこのツアーの魅力です。近年の中国は国内外を問わず旅行が盛んですが、雲南省には少数民族料理を楽しむグルメツアーもあるようです。主な少数民族だけでも25部族、現代も日常生活に民族衣装を着ている方が多くいます。元陽で出会えるのは恥ずかしがり屋のハニ族と社交的なイ族です。ガイドの説明ではイ族は元貴族で、明るい色の服を着ます。特徴は腰の後ろにある、刺繍が施された二枚の布です。性格は社交的で商売がうまい。対するハニ族はイ族に仕える民族だったため、服の色は地味な黒や紺が多く、恥ずかしがり屋で勤勉な性格です。でもこちらが笑顔で挨拶をするとニコニコしてくれる人もいたので、一概には言えません。元陽ではこの両民族の村の訪問もします。
そして二つ目のハイライトは何と言っても菜の花で有名な羅平です。羅平は場所によって標高が違うので羅平の菜の花が全て満開となることはありません。現地ガイドから最新情報を聞き、今まさに満開となっている場所を訪れました。すると道の両側に広がる菜の花の絨毯!いや、菜の花の海と表現した方がいいかもしれません。風に乗って甘い蜜の香りがぷんとしました。この菜の花の黄色は何と人の心をほっこりさせるのでしょうか。なんとなしに「いちめんのなのはな いちめんのなのはな・・・」という山村暮鳥の詩を思い出しました。
金鶏山という日の出のスポットへも行きます。ここはカルスト地形のお椀形の低い山と菜の花畑が見られる場所ですが、本当に幸運にも朝日を拝むことができました。2、3日前は霧や雨で何も見られなかったそうなのでラッキーです。菜の花のはちみつや花粉も近くに売っていました。ツアー中には菜の花料理も出てきて、目でも匂いでも舌でも春を楽しんだのでした。梅の開花が遅れている日本ですが、こちらにも早く春が来てほしいものです。(名倉)
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