降っても、晴れても(屋久島/日本)
さて、今回、私が特に感動したのが、屋久島の「水」です。屋久島でのハイキングの際に、リュックに用意するお水は500mlのペットボトル1本でOK!往復10時間かかる縄文杉トレッキングも然りです。屋久島の森の中には至る所に水場があり、その全てが清水!しかも、その硬度は一桁台という、超軟水。口に含めば甘くやわらかく、体をやさしくさらっと流れていき、一度口にしてしまおうものならば、ペットボトルの水さえも不味く感じてしまうほどです。白谷雲水峡のハイキングの際、ガイドさんが何度も何度も「雨の屋久島の姿を見て欲しかったなぁ…」と残念がっていましたが、木漏れ日の差す清々しい森の中を歩き、喉が渇けば、美味しい水がそこにある…こんな贅沢を味わってしまっては、「晴れの屋久島」支持に回らざるを得ません。
屋久島は、しばしば、雨によって創られている島だと言われます。それは、森の中を歩けば明白で、植物たちがその理由を物語っています。屋久島は花崗岩の隆起によってできた島。本来なら、岩に木々は育ちませんが、十分すぎるほど降り注ぐ雨によって苔がよく育ち、水分をしっかり含んだ苔が苗床となり、植物を育んでいるのです。しかし、苔はシンプルに光と水によって光合成を行うのみ。栄養分はほとんどありません。その為、微生物やそれに連なる虫達も少なく、うれしい限りのクリーンな森を歩くことが出来ます。屋久島が特異な島であることは、ひとつひとつの要素が十分に証明しながら、しっかりと結び付いており、そしてその元をたどると必ず「雨」の存在があります。だからこそ、ガイドさんは口を揃えて、景色としてではなく、雨の屋久島を強く訴えていたのかもしれません。
天気のいい日も、悪い日も。もう一歩踏み込んでその地の風土を知ることで、違う楽しみ方ができる。そんなことを改めて教えてくれた島でした。(弥永)
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