2012年4月26日 (木)

“キブツ”の中で生きる人々(イスラエル)

Jerash_ruin 先日、ユーラシア旅行社の「ヨルダンの至宝ペトラと聖地エルサレム9日間」の旅から帰国いたしました。ちょうど野花が咲く季節、ヨルダンのジェラシュ遺跡やイスラエルのガリラヤ湖畔は黄色や紫など色とりどりの花々に囲まれ、柔らかな美しさの中にありました。
今回のツアー、ガリラヤ湖畔でお泊りいただいたホテルの持ち主はキブツという、少し珍しい団体でした。“キブツ”とは“集団”を表すヘブライ語です。その実態は、集産主義的共同体、つまり元々は中学校の歴史の授業で習った中国の人民公社やソ連のコルホーズと同じような、集団で農業経営を行う共同体であったわけです。中国やソ連でのこの壮大な社会実験がご存知のように大失敗に終わったのと対照的に、イスラエルのキブツは現代においてもイスラエル人が生活を送る場所の有力な1選択肢として残っています。また、イスラエル初代首相ベン・グリオンをはじめ、キブツ出身者の中には政治家・知識人の割合が非常に多いとのことでした。

Kibutsu_com 元来、農業生産を中心としていたキブツですが、世界各地からユダヤ人たちがイスラエルに“帰国”して数や人口が増加するにしたがって、工業や観光業にも進出するようになりました。また当初は生活に必要なものすべてが無料で保証されるかわりに全くの無報酬で働いていたキブツの構成員たちですが、現在では給与が支払われるようになっているとのことです。ユダヤ人であればキブツへの参加希望は自由、ただし特殊な生活形態のため年齢制限があり、加えて1年ほどの試験期間が設けられています。また脱退も自由、その場合は加入中の貢献度に応じて退職金のようなものが支給されるのだそうです。
たまたまガイドさんがキブツ出身者であったため、キブツの敷地内も少し案内してもらうことができました!広い芝生にきれいに植えられた植物、過ごしやすそうな家々、建物はほとんど同じですが、住人の個性によって全く違う雰囲気を持っています。
若者達は農場やホテル、工場で仕事中のため、居たのはお年寄りと子供たち。“お年寄りの家”では希望する方は内職のような仕事を、そうでない方は友人との談笑を楽しんでいるとのこと。また“子供の家”では学齢期前のオチビさんたちが庭で元気一杯に遊んでいました。子供たちの想像力や応用力を伸ばすために、わざと新品のオモチャではなく古い家具類を玩具として置いてあるのだそうです。珍客である私たちを前に子供たちは興味津々、物怖じもせず「ハロー!ハロー!」と明るく手を振ってくれました。
元は共産主義的な発想から始まったキブツ。今後揺れ動く社会情勢の中でどう変質していくのかはわかりませんが、少なくとも自然溢れる環境でのびのびと育ったキブツの子供たちがイスラエル中へ、更には世界各国へと元気に巣立っていくことは間違いなさそうです。 (三輪)

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