ヒト、ゴリラ、チンパンジー(ウガンダ)
マウンテンゴリラに会うのは、動物園でも保護センターでもなく、実際に彼らが棲む森の中。ゴリラは通常10~15頭ほどの群れを作っていますが、そのグループ毎に専用のレンジャーがいて、その方の指示に従いながら、ゴリラの群れに出会えるまで、草を掻き分け、道なきジャングルの中を進んでいきます。今回は幸運にも、1時間半程でゴリラたちに出会うことができました。出会って早々に、群れのNo.1とNo.2のシルバーバック(成熟したオス)が激しいケンカをはじめ、たいそう驚かされましたが、その後は15頭の群れのうち13頭が姿を現し、なんとも微笑ましい彼らの日々の営みを観察することができました。私が最も印象に残ったのは、ずっと同じ木の株から離れなかった子供のゴリラ。レンジャーに聞くと、その子のお母さんがその辺りで亡くなったのだそう。何度も何度も株の中を覗く姿は、とても切なく、ゴリラがヒトと97%同じDNAを持っていることを思い起こさせました。
また、当ツアーでは、ンガンバ島のチンパンジー保護センターも訪問します。ここは密猟などの被害に遭ったチンパンジーを保護し、最終的に森に返すことを目標にしています。保護センターで働く方からチンパンジーの生態などのレクチャーを受け、えさやりの時間を見学させてもらったのですが、ここで私たちが見たものは、同じ霊長類のゴリラとは全く異なるチンパンジーの生態でした。わたしたちをからかうような行動。浅ましささえ感じてしまう、えさの奪い合い。ボスが遅れてやってきたとき、彼らを包む空気の変わり方…。先に目にしたゴリラの穏やかさに感動していただけに、ショックもひとしおです。そして、さらにショックを大きくさせたのが、売店で見かけたTシャツ。そこには、“98.7% Chimp!”(ヒトと98.7%同じDNAを持っている)という文字が書かれていたのでした…。
ヒト、ゴリラ、チンパンジー。たかが数パーセント、されど数パーセント。この数パーセントを埋めているものは、果たして「進化」という言葉でよいのだろうか…と茫漠とした疑問と、ゴリラのやさしい眼差しを忘れまいという固い決意とともに、帰国の途についたのでした。(弥永)
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